BIOGRAPHY | DISCOGRAPHY
ミニ・バイオグラフィ


20年に一度の大事件、ブリティッシュ・ロック最後の救世主と言われ、ウルトラ・ハイ・トーンのファルセットと全身キャットスーツで全世界を虜にした、ザ・ダークネス。クイーンの「ボヘミアン・ラプソディー」を完コピしたカラオケ・コンテストがバンド結成のきっかけですが、コミック・バンドではありません。デビュー・アルバム『パーミッション・トゥ・ランド』は全英アルバム・チャート初登場2位でデビュー、その後4週連続NO.1(トータル5週NO.1)を獲得。イギリスのグラミー賞「ブリット・アワード2004」では、アーティスト最多の3部門を受賞!!英レディング/リーズ・フェスティバル2004ではメイン・ステージのヘッドライナーを飾り、英ブレア首相もダークネスのファンであることを公言するほど、ダークネスはロック界の救世主からお茶の間のアイドルへと進化。全世界で350万枚を売り上げた衝撃のデビューから2年、プロデューサーにクイーンとの仕事でも有名な巨匠ロイ・トーマス・ベイカーを迎え、セカンド・アルバムが完成。ファースト・シングル「ワン・ウェイ・チケット」、自らの体験をもとに書かれたという楽曲「ボールド(ハゲ)」も必聴!!




アルバム『ワン・ウェイ・チケット・トゥ・ヘル・・・アンド・バック』バイオグラフィ


これまで噂されてきたことは、すべて事実だ。何もかも本当だ。極度の疲労、恐怖、プレッシャー、パラノイア、パンパイプ(訳注:長短の管を長さの順に並べて作った原始的な吹奏楽器)、神経衰弱、分裂、解雇、シタールによるソロ、終わりのないレコーディング・・・そして、それらがあって遂にザ・ダークネスの復活と救済のセカンド・アルバムが完成した。

『One Way Ticket To Hell…And Back』は、ローストフトからロンドン、モンマスからロサンゼルスと廻った一年間の旅路の成果であり、今では彼らに匹敵するバンドなど存在しないことを(本人たちも含め)我々全員に証明する作品だ。このアルバムは彼らが作るべくして作った一枚であり、ザ・ダークネスが今でも世界最高峰のバンドであることに間違いはない。

ここで忘れてはならないのは、ザ・ダークネスが2002年に彼らのファーストEPをリリースして以来、バンドをやっていれば誰もが夢見るようなことをほとんど達成し続けてきた事実だ。1位を獲得したデビュー・アルバム(2003年の『パーミッション・トゥ・ランド』)はイギリスのみで150万枚、世界中では350万枚を売り上げ、ウェンブリー・アリーナでのショウを前代未聞の3日間ソールドアウトにし、トップ10シングルを4枚送り出し、『ブリット・アウォード』では3つの賞を手にし、『アイヴァー・ノヴェロ』では“ソングライターズ・オブ・ザ・イヤー”を獲得。そして、『レディング&リーズ・フェスティヴァル』ではヘッドライナーを務めた。過去何十年もの間で、ここまで成功したアーティストは彼らだけだ。

しかし、「俺たちがこの世の中で最高のバンドだということを、来る日も来る日も証明しなければならない」(ジャスティン・ホーキンス)という需要が、他を寄せ付けない独特のステージ・パフォーマンスを誇るこのグループにとっては特に、日増しに高まっていくのが明らかだった。4年間絶え間なくツアーを行い、ひっきりなしにメディアによって詮索された後の2004年の終わり、バンドはホームタウンであるローストフト近郊の田舎にあるダン・ホーキンスのスタジオに引きこもり、それまでにバンドが達成してきた偉業に耐え、かつ、人々の多大な期待に沿う楽曲作りに取り掛かった。

「毎日、スタジオまで歩いていった」とダンは振り返る。「それまで達成してきたことを考えては、『参ったな。新しい曲なんて書けるのかよ』なんて考えていたよ。そんな過去の栄光なんて忘れちゃえばよかったんだろうけど、とにかくプレッシャーを感じていたんだ。それでこういうアルバムが出来上がったんだ。ロック・クラシックとなるような素晴らしい曲を書くことに集中したってわけさ」。

しかし、それを成し得るには、彼らの野心を現実のものとしてくれる並外れたプロデューサーを見つけなければならない、ということだった。

考えてもみてくれ。ロイ・トーマス・ベイカーは、ザ・ダークネスが普通のバンドでないように、普通のプロデューサーでないことは明らかだ。彼はこの世で最も印象深く、最も影響力のあるアルバムを手がけ、その履歴書に登場するアーティストは、クイーンやデヴィッド・ボウイ、ザ・ローリング・ストーンズ、フリー、それに、ザ・フーなどだ。バンドはこの世に存在する偉大なロック・プロデューサー陣、時にはそれほどでもないロック・プロデューサーたちを何人も候補に挙げてはリストから外していく作業をし(そして、上手くいかなかったセッションを一度や二度経験し)、最終的にはロサンゼルス在住のロイ・トーマス・ベイカーを紹介された。即、ロックに対する共通の愛を見出した両者は、ニュー・アルバムの制作に着手する。「ロイ・トーマス・ベイカーは天才だね。それしか言いようがないよ」とジャスティンは断言する。「彼の仕事ぶりを見られて光栄だよ。彼の耳は完璧だし、彼の感覚も最高だ」。

しかしながら、すべてが順調に行ったわけではなかった。バンド内の緊張感は耐えられないほどのレベルにまで達し、モンマスにあるロックフィールド・スタジオでのレコーディングではメンバー間の衝突が続いたことでストレスがたまり、バンドはバラバラになり、ジャスティンがすべてのセッションを放棄するまでに至った。「バンドはボロボロで、ほとんどの曲のバッキング・トラックを録っている間に文字通り分裂状態になってしまったんだ」とダンは説明する。「だから、ヒット・アルバムを作ろうとしながらも、バンドがバラバラになってしまった状況に対応しなければならなかったんだ」。

「俺はザ・ダークネスを解散するところまでいったんだ」とジャスティンは告白する。「でも、何が、というか、誰が問題なのかに気付いて、スタジオで他のメンバーがどんなことになっているのかを聞いて、俺がここで放棄しちゃ駄目だと気付いた。バッキング・トラックを録り始めた頃から、俺が関わって演奏しなくちゃならないことが明らかだった。でも、聴き直してみて特別なものになったと感じたよ」。

その結果、ベーシストのフランキー・ポーレインがクビとなり、その代わりに(ダンの元ギター・テクニシャンで、レコーディング中ずっとバンドを支えてきた存在であり、また、本人の言葉を借りれば、ロックの表舞台に迎え入れられた)リッチー・エドワーズが加入した。

再び親密なきずなを結び、活気を取り戻し、アルバム制作に集中できるようになったバンドは、彼らの傑作となるアルバムを完成させる準備を整えた。「どんなアイディアも試すことができた」とドラマーのエド・グレアムは説明する。「誰かが何か提案すると、それがどんなに突拍子もないアイディアでも、俺たちとロイはやってみたんだ。鋼の度胸だよな」。

まさしく、『One Way Ticket To Hell…And Back』は、何人ものオーケストラやメロトロン、ムーグにシタール、フリューゲルホルン、サキソフォン、バグパイプ、フレディーのグランドピアノ、激しいドラム、スケールの大きなギター、ペルーの山中でレコーディングされた世界一のパンパイプ奏者のパフォーマンスが収録されたザ・ダークネスの最も野心に燃え、最も創意に富んだアルバムとなっている。もちろんのこと、そもそもこのバンドを世界の中心へと送り込んだヘヴィなフックのコーラスや雷のようにとどろくリフも健在だ。

ヴォーカル・パフォーマンスも相変わらずの素晴らしい内容だ。いや、ただ単に素晴らしいだけではなく、信じられないほどだ。ジャスティンの誰にも模倣を許さない芝居がかったハード・ロック的なパフォーマンスと、失恋や裏切り、後悔、男らしさ、または、スコットランドのフォークロア、そして何よりも重要なザ・ダークネスの大好きな題材である勝利を収めた愛に至る正直でユーモアな歌詞が楽しめる。徹底的にロックする「Knockers」と「Is It Just Me?」から贅沢で豪華なバラードの「Blind Man」と「Seemed Like A Good Idea At The Time」まで収録した強力なアルバムであり、特にオープニングのタイトル・トラックでファースト・シングルとなる「One Way Ticket」は、この作品全体の調子を決定付けるサウンドとなっている。

「救いの歌なんだ」とジャスティンは説明する。「生活に押し流されてしまって、いつも決まった風に行動したり、決まった習慣を身に着けてしまいがちだけど、『いや、こんな人生じゃダメだ』と考え直して違った人生を歩み始めるのに遅すぎるなんてことはないんだ。アンチ・ドラッグの歌で、自分がどうしようもない奴だと感じていたり、人生が空っぽに感じていたり、自分の意思に反してドラッグが自分自身の存在を支配してしまっていると感じている人へのアドヴァイスで、そういった状況はいつでも変えられるんだと訴えているのさ」。

「要は、このアルバムは救済のアルバムで、だからこそ『One Way Ticket To Hell…And Back』というタイトルになっているんだ」とジャスティン。「謝罪や弁解をかなりしつつも、そこには希望がある。シリアスな内容の歌詞が多いよ。そこに、アホらしい冗談の歌詞が2曲くらいってところだね」。

「このレコードを聴き直してみて、かつ、完成させるのにどれだけ大変だったかを考えると、俺たちは世界最強のバンドにいるんだ、とメンバー全員が再び感じているんだ」とダンは述べる。「こういったアルバムを作りたいと思っていた。自分たちが望んでいたアルバムを作ったという開放感がある。でも、こんなに凄いアルバムを作ってしまったから、もう逃げられないって感じだな」。

ジャスティンは「世界征服さ」と言って、にやりと笑う。「それしかないだろ」。

『One Way Ticket To Hell…And Back』は、一度失い再び得た自信と、一度失い再び見つけた愛を歌ったビッグなこれぞロックといったアルバムだ。ザ・ダークネスがこれほど素晴らしいアルバムを作ったのは、そうするしか他に選択肢がなかったからだ。バンドの抱えていたプレッシャーは物凄く、解散ギリギリの状態から元の状態に戻すという(他のバンドであれば、完璧にそのまま死んでいっただろう努力である)超人的な業があってこそ、彼らの決意を堅固にし、過去20年間で最も素晴らしいロック・アルバムとなるべきアルバム、そして、現実にそうなったアルバムを作ることができたのだ・・・もちろん、これは彼らのデビュー・アルバムを除いての話だが。

マット・エヴァリット
2005年9月

2005/11/30発売「One Way Ticket To Hell...And Back」初回生産限定スペシャル・プライス盤 ¥1,980(税込)

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