マドンナがデビューした82年当時、MTVをはじめとする映像媒体の普及によって、音楽は聴くだけでなく“観る”ものとしての新しい価値を求められた。そんな背景の中で登場したマドンナは、まさにMTV世代の旗手としての魅力をすべて兼ね備えたアーティストといえる。ダンサーとしてキャリアをスタートさせた彼女にとって、ダンスは常に重要なキーワードであり、映像で強烈な印象を残し続けている。また、70年代のディスコから、80年代のクラブ・シーン、さらに90年代のテクノ/ハウス時代と、ダンス音楽の流行とともにサウンドも変化を続けている。こうしたトレンド感覚こそ彼女の大きな魅力で、作品のたびにリスナーの期待を裏切り、大胆なコンセプトで新たな時代をリードし続けている。ミュージシャンとして、俳優として、セックス・シンボルとして、トレンド・リーダーとして、さらにスキャンダル・ヒロインとして、常に観る者を飽きさせない唯一無二のエンターテイナーである。 |