ホーム >> Another Side of Music >> 第39回 憂歌団 『プレミアム・ベスト 憂歌団』
Another Side of Music

第39回
憂歌団
『プレミアム・ベスト 憂歌団』

『プレミアム・ベスト 憂歌団』

思い出深い名曲の数々

1週間で放送禁止となった75年のデビュー・シングル曲「おそうじオバちゃん」を始め、「パチンコ~ランランブルース(Live)」「嫌んなった」「ゲゲゲの鬼太郎」などを収録した究極のベスト。
http://www.wmg.jp/artist/yukadan/WPCL000010710.html


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人間の五感の中で、記憶に最も関係が深いのが嗅覚だといわれている。一度嗅いだニオイはしっかりと記憶にインプットされ、再びそのニオイを嗅ぐと、その当時の記憶がもこもこと蘇るんだとか。そういえば、原付バイクの排気ガスのニオイを嗅ぐと、不思議と高校生の頃を思い出したりするような。あの頃は原付があれば、どこまででも行けるような気がしてたなぁ。実際、原付ですんごい遠出したりして。今やれっていわれたら、お金もらっても嫌だけど。

だけど、記憶に結びつくということでいえば、聴覚だってかなり関係があるんじゃないだろうか。その場合は単純な音としてではなく、特定のアーティストの曲だったりするわけだけども。昔流行った曲を聴くと、当時付き合っていた彼氏と海に行ったことを思い出す、なんて人も多いのではないだろうか。

そんなわけで、最近久々に聴いて当時のことを強烈に思い出したという1枚があったので、この機会にご紹介したいと思います。それは憂歌団というバンドの『プレミアム・ベスト』というベスト・アルバムなんですが、このあたりの曲を良く聴いていたのは、たしか中学生の頃だったような。

その当時はMTV全盛期で、まわりみんなカルチャー・クラブとか、デュラン・デュランとか、a-haとか、ハワード・ジョーンズとか(分かる人は同世代)、そういうのを聴いている中で、ひとりRCサクセションとか泉谷しげるとか、そしてこの憂歌団とか聴いていたわけです。

まわりに音楽の趣味が一致する友人もほとんどおらず、家で聴いていても、突然姉が「うるさい! 何やねん、さっきから聞いてたら『今日も働いて2000円 糞にまみれた2000円』て、どんな歌やねん!」と隣の部屋から怒鳴り込んできたもんです。そんなとき「おそうじオバちゃんやんけ。これぞ労働者階級のブルースなんじゃ」と反論したりして。中学生で働いたこともないくせに。

その後もずっと好きで、高校生になる頃には、大阪の「バナナホール」や、京都の「磔磔(たくたく)」、神戸の「チキンジョージ(改装前)」なんかによく観に行ってたなぁと。そんで最前列に座ってピックもらったり。個人的に、そんな思い出がいっぱい詰まったベスト・アルバムです。

お前の思い出なんかどうでもええわ、という人へもわりとお勧めです。このベストは今年の6月にリリースされたものなんですが、久々に聴いてもやっぱりカッコ良かったですから。「おそうじオバちゃん」もさることながら、「嫌んなった」「10$の恋」など名曲がたくさんで、特に「当たれ!宝クジ」の内田勘太郎氏のギターはメチャクチャカッコ良いです。個人的に好きなギタリスト日本部門ベスト3に入るくらい好きなんですが、ギターキッズたちは要チェックだよ。

相変わらず細かいことを全然書かないまま文字数に達してしまいましたが、惜しまれつつ解散した憂歌団という日本が誇る素晴らしいブルース・バンドのデジタル・リマスター盤がリリースされましたので、知っている人も知らない人も、この機会にぜひ。あと、中学生くらいのお子さんがいらっしゃる方も、ぜひ聴かせてあげてみてください。とても素晴らしい人間になると思いますので。僕のような。

今回紹介した1枚

『プレミアム・ベスト 憂歌団』 憂歌団
『プレミアム・ベスト 憂歌団』

オンライン購入 amazonで購入 HMVで購入 Tower Recordsで購入

1週間で放送禁止となった75年のデビュー・シングル曲「おそうじオバちゃん」を始め、「パチンコ~ランランブルース(Live)」「嫌んなった」「ゲゲゲの鬼太郎」などを収録した究極のベスト。
http://www.wmg.jp/artist/yukadan/WPCL000010710.html



穴澤 賢 (あなざわまさる)

プロフィール

穴澤 賢 (あなざわまさる)
1971年大阪生まれ。
ブログ「富士丸な日々」の作者。
高校生の頃からバンドに明け暮れ、28歳という微妙な年齢で上京するが、音楽の道から挫折するという経歴を持つ。現在は文筆業でかろうじて食いつないでいる。口癖は「ま、いいじゃん」。著書に『ひとりと一匹』(小学館)、『富士丸な日々~明日は天気か?』(小学館)、『富士丸 おでかけ日和』(日経BP社)などがある。

「富士丸な日々」 http://fujimaru.blog16.fc2.com/
「Another Days」 http://anazawa222.blog13.fc2.com/