ホーム >> Another Side of Music >> 第42回 Rod Stewart / ロッド・スチュワート 『Unplugged....And Seated (Collector's Edition) / アンプラグド コレクターズ・エディション』
Another Side of Music

第42回
Rod Stewart / ロッド・スチュワート
『Unplugged....And Seated (Collector's Edition) /
アンプラグド コレクターズ・エディション』

『Unplugged....And Seated (Collector's Edition) /
アンプラグド コレクターズ・エディション』

人としては知らんけど、声は好き

孤高のヴォーカリスト、ロッド・スチュワートの魅力が最大限に表れた『アンプラグド』が、CD&DVDによる究極のコレクターズ・エディション(完全生産限定盤)で登場。
http://www.wmg.jp/artist/rodstewart/WPZR000030338.html


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世の中には才能のある人というのがたしかに存在し、それは生まれ持ったものとしかいいようがなく、そうでない人間から見ると、ただただ羨ましくして仕方ないということがある。

たとえば、生まれつきぱっちり二重のまつげばさばさの美人がいたとして、そうでない人は、マスカラやつけまつげで何とか対抗しようとするのだけど、それはやっぱり付け焼き刃にすぎず、風呂から上がれば諸刃の剣は見事に折れてしまい、出来れば彼氏にはその顔は見せたくない、という人も多いのではないだろうか。かといって、つねにメイクをしていてはお肌に悪い。せめてそしらぬ顔でいてくれればいいものを、わざわざすっぴんの顔をまじまじと見て「ある意味、詐欺だよね」などという男は最低だ。こっちは昼間一生懸命頑張っているというのに。こればっかりは仕方がないというのに。

いかん、才能の話をしているのだった。そう、音楽の世界にもどうしようもないことがあり、楽器などはある程度技術を磨くことで、一定水準に持っていくことができる。また、近年開発の進む機材の進歩により、音をさまざまに加工(お化粧)して、ごまかしたり、より効果的に演出することも可能になってきた。

しかしながら、どうしようもないのが「声質」で、こればっかりは、もう、神様にもらった「ギフト」としかいいようがない。音程という問題は後でいくらでも修正できるが、声質についてはどうしようもない。

ロッド・スチュワートという人がいる。この人なんかは「歌を唄うために生まれてきたのではないか」というくらい、素敵な声の持ち主だ。彼のしゃがれたハスキー系の声は、かのジェイムス・ブラウンをして「世界最高のソウル・シンガー」といわしめたほど。

そんなわけで、今回紹介したいのはロッド・スチュワートという人のアルバム『アンプラグド』。『アンプラグド』といえば80年代に大流行したアメリカの企画で、エレキ・ギターなどの電子機材を使わない、アコースティック・テイストな演奏でシンプルに音楽を楽しむという趣旨から「プラグを使わない」という意味でつけられた番組で、数々の大御所も出演したことで有名(実際にプラグはがんがんに使いまくりだが)。

そんな中、93年にロッド・スチュワートが出演した際に収録したのがこの作品。CDは93年頃にリリースされていたのだが、この度DVD付で新たにリリースされたのです。内容は、これまでのロッドの経歴をなぞるような構成になっていて、彼がかつて在籍し、この連載の第1回でも取り上げたフェイセズ時代からソロにいたるまで、粒ぞろいの選曲となっている。

中でも盛り上がるのは、途中にゲストとして、ロン・ウッドが登場する場面。これは、フェイセズ解散以後22年ぶりにふたりがステージで演奏するという、ファンには嬉しい演出。ふたりともどこか照れくさそうに、ロッドなどは「お前が『あのバンド(ローリング・ストーンズのこと)』に入ってから、これがはじめてだよな」といったりして、長い年月をかけたからの友情というか、見ている方もちょっと照れくさくなるような、そんなふたりの姿が印象的。

収録されている中で、個人的に好きな「Maggie May」「Mandolin Wind」あたりは、オリジナル・アルバムの方がいいと思うんですが、数々のヒット曲が網羅されているという点では、ロッド・スチュワート入門編としてちょうどいいのかも。

ついでにいっておくと、ロッド・スチュワートという人は、女癖がやたら悪かったり、この日も胸に太い金のネックレスをつけていたり、個人的にはわりとサイテーだなーと思うんですが、なんか、やっぱり、あの声で歌われると嫌いになれないというか、やっぱり好きなんですね。しゃがれた声が好きな人は、ぜひこの機会に聴いてみてください。

今回紹介した1枚

『Unplugged....And Seated (Collector's Edition) /
アンプラグド コレクターズ・エディション』 Rod Stewart / ロッド・スチュワート
『Unplugged....And Seated (Collector's Edition) /
アンプラグド コレクターズ・エディション』

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孤高のヴォーカリスト、ロッド・スチュワートの魅力が最大限に表れた『アンプラグド』が、CD&DVDによる究極のコレクターズ・エディション(完全生産限定盤)で登場。
http://www.wmg.jp/artist/rodstewart/WPZR000030338.html



穴澤 賢 (あなざわまさる)

プロフィール

穴澤 賢 (あなざわまさる)
1971年大阪生まれ。
ブログ「富士丸な日々」の作者。
高校生の頃からバンドに明け暮れ、28歳という微妙な年齢で上京するが、音楽の道から挫折するという経歴を持つ。現在は文筆業でかろうじて食いつないでいる。口癖は「ま、いいじゃん」。著書に『ひとりと一匹』(小学館)、『富士丸な日々~明日は天気か?』(小学館)、『富士丸 おでかけ日和』(日経BP社)などがある。

「富士丸な日々」 http://fujimaru.blog16.fc2.com/
「Another Days」 http://anazawa222.blog13.fc2.com/