気がつけば師走。年齢を重ねるにつれ、月日の流れが早く感じるようになるのはなぜだろう。と、いきなりおっさん臭いことを書いてみる。ところで以前、年下の女友だちと飲んでいるときに「いやー、俺もおっさん臭いこというようになったもんだわ」と笑っていたら、「大丈夫、じゅうぶんおっさんだから」と真顔でいわれてしまった。男、38歳。うん、たしかにおっさんだわ。なるほど、いちいちおっさん臭いと断る必要はもうないみたい。なので、冒頭のくだりは取り消しの方向で。そうやって、これからも更におっさん度合いを増していくんだろうなぁ。
そんなことはさておき、12月になると、街中でクリスマス・ソングが流れている。それはもう、うんざりするくらいどの店に入ってもクリスマス・ソングが聞こえてくる。別にクリスマス・ソング自体は否定しないし、好きな曲もあるんだけども、これだけ聴かされると飽き飽きしてくる。嫌がらせかよ、とさえ思うこともある。これは独身者ゆえの、ひがみまじりのゆがんだ感情なのだろうか。それとも、世の中の幸せなカップルも、多少はうんざりしているのだろうか。どうなんだろう。別にどっちでもいいんだけど。
というわけで、今回はそんな世間のクリスマス・ムードなどまったく無視したアルバムを紹介したいと思います。その1枚とは、ボニー・レイットが1973年に発表した『Takin' My Time』というアルバム。これがまた36年も前の作品だというのに、今聴いても古さを感じさせない、実にいいアルバムなんです。
詳しいことは例によってサクッとしか書きませんが(遂に開き直り)、ボニー・レイットとは1949年カリフォルニア生まれのシンガー・ソングライターで、ギタリストでもあり、特にスライド・ギターの名手としても知られる、そのスジでは大変有名な人。1989年にはグラミー賞なんかもとって、今なお現役でご活躍していらっしゃいます。
ただ、個人的に好きなのは、今回取り上げた頃の作品でしょうか。1973年ということは、彼女がまだ23歳だった頃。あ、そういう意味で好きなわけじゃないのでくれぐれも。さすがにもうちょい上じゃないと。いや、そういうことじゃなく、テイストとして。それに実はこのアルバム、バック・ミュージシャンがそうそうたるメンバーだったりするんです。いちいち書きませんけど、あえて。
またこの作品、当初はリトル・フィートのローウェル・ジョージがプロデュースを手がけるはずだったんですが、制作前にボニーと大げんかして、急遽ジョン・ホールという人がプロデューサーを務めることになったんだそうな。
そのわりには、ローウェル・ジョージもしっかりこのアルバムに参加していたりして。彼独特のいいギタープレイも聴けたりします。仲直りしたのかな。どっちでもいいんだけど。とりあえず、そんな裏の事情はさておき、いいアルバムだと思います。2曲目の「I Gave My Love A Candle」なんかは、個人的に今聴くとちょっとうるっとしてしまうほど。試聴もできるので、興味のある方はぜひ。
そうそう、今現在のボニー・レイットはどうなんだろうとインターネットで検索してみたんですが、60歳という年齢とは思えないほど綺麗で、だけどどこか「強いオバチャンオーラ(いい意味で)」をビシビシ出しているような感じの女性になってました。やはり月日の流れというものは……。以上、うら若かった頃の、ボニー・レイットの作品紹介でした。
今年の更新はこれが最後かな。また来年もよろしくお願いします。少し早いけど、良いお年を。新年には、もしかしたら何か嬉しい報告が出来るかも。とにかくみなさんお元気で。
Bonnie Raitt / ボニー・レイットブルースという枠に捕われず、リトル・フィートのローウェル・ジョージ/ビル・ペイン/サム・クレイトン/ポール・バレール、さらにジム・ケルトナー、ジョン・ホール、ヴァン・ダイク・パークス、タジ・マハール等をゲストに迎え、よりロック色を打ち出した3rdアルバム。
http://www.wmg.jp/artist/bonnieraitt/WPCR000075393.html

穴澤 賢 (あなざわまさる)
1971年大阪生まれ。
ブログ「富士丸な日々」の作者。
高校生の頃からバンドに明け暮れ、28歳という微妙な年齢で上京するが、音楽の道から挫折するという経歴を持つ。現在は文筆業でかろうじて食いつないでいる。口癖は「ま、いいじゃん」。著書に『ひとりと一匹』(小学館)、『富士丸な日々~明日は天気か?』(小学館)、『富士丸 おでかけ日和』(日経BP社)などがある。
「富士丸な日々」 http://fujimaru.blog16.fc2.com/
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