個人的なことですが、骨折しました。鎖骨をぼっきりと。転んだんです、すってんころんと。20代の頃はたとえ転んでもかすり傷程度で済んだのに、まさか骨折するなんて。なんだろう、年齢と共にバネみたいなものがなくなって衝撃をもろに吸収する体になってしまったんだろうか。いずれにしても、かっこ悪りぃことこの上ない。ちなみに骨折したのはこれがはじめてなんですが、なかなか痛いもんですね。痛いというか、激痛でした。脂汗はしたたるし、熱は出るし、死ぬんじゃないかと思いました。ヘタレもいいところです。
しかしそんな状況でも連載を休むわけにはいかない。なぜならそれがプロだから。プロフェッショナルという意味ではなく、原稿料をもらっている以上、骨が折れたくらいで仕事を休むわけにはいかないのであります。だから、ひと文字打つ度に襲ってくる激痛に歯を食いしばって耐えながら、今これを書いているわけです。我ながらなんというプロ根性。というのは嘘っぱちで、肘から先は自由に動くので普段とほとんど変わらぬ感じで書いてます。良かったです、折れたのが指じゃなくて。指だったら絶対休んでると思うので。
相変わらず冒頭から音楽と関係ないことをだらだらと書いていますが、これをどうやってアルバム紹介に結びつけようかなと。これこそプロの技が必要とされる場面ではなかろうか。えー、骨折、プロ根性とくれば。そうだ、レッド・ツェッペリンの『プレゼンス』があったじゃないですか。このアルバムは、ヴォーカルのロバート・プラントが交通事故で足を骨折したにも関わらず、車椅子で歌って完成させたという1枚なんです。うん、これはいい、ピッタリだ。と思ったら、なんと既にずいぶん前に紹介してるじゃないですか。しかも、釣り番組のBGMにピッタリだとか適当なことばっかり書いてるし。どうしよう。
じゃあ、今回はツェッペリン繋がりでこれも大好きな1枚である『フィジカル・グラフティ』というアルバムでも。またツェッペリンかい、と思うなかれ。このアルバムはツェッペリン作品の中でも、なんというか、全体的に湿ったようなサウンドで、リズムも何かを引きずったような重たい感じが実にカッコいいのです。なんでしょう、イギリスの気候のせいもあるんでしょうか、カラッと乾いたアメリカンロックとは対照的なこのじとっとしたサウンド。そう、まさに梅雨時の今にピッタリな1枚。完全に後付けだけど。
でもちょっとでも興味のある人はぜひ試聴してみてください。その際はできるだけドラムに注目しながら。このアルバム、特にドラムがカッコいいので。「カスタード・パイ」とか「ダウン・バイ・ザ・シーサイド」とか「夜間飛行」が個人的にオススメです。
そんなわけで、この原稿がアップされる頃には、僕、入院してると思います。手術することになったんです、しかも明日。そんなときにこの原稿を書いてます。素晴らしいプロ根性だと思いませんか。思いませんか、そうですか。なんせ骨折したのも自業自得ですからね。あと、念のためお断りしておくと、骨折、入院、手術となって原稿どころではなくなり、とりあえずツェッペリンでお茶を濁してみました、というわけではないのでくれぐれも。
Led Zeppelin / レッド・ツェッペリン自ら設立したレーベル<スワン・ソング>での第1弾。2枚組にして予約だけで100万枚突破したという驚異の通算6作目(1975年作品)。ビルボード・アルバム・チャート最高位1位!
http://www.wmg.jp/artist/zeppelin/WPCR000013135.html

穴澤 賢 (あなざわまさる)
1971年大阪生まれ。
ブログ「富士丸な日々」の作者。
高校生の頃からバンドに明け暮れ、28歳という微妙な年齢で上京するが、音楽の道から挫折するという経歴を持つ。現在は文筆業でかろうじて食いつないでいる。口癖は「ま、いいじゃん」。著書に『ひとりと一匹』(小学館)、『富士丸な日々~明日は天気か?』(小学館)、『富士丸 おでかけ日和』(日経BP社)などがある。
「富士丸な日々」 http://fujimaru.blog16.fc2.com/
「Another Days」 http://anazawa222.blog13.fc2.com/










