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「Chicago XI」の歳に生まれた、シカゴ担当ワーナーF氏の素晴らしすぎて「短い夜」だった、シカゴ・ライブ・レポート!

 主要メンバーであるロバート・ラムの足の骨折により延期となってしまった昨年9月の来日公演から、待ちに待った振替公演がついに2010年2月19日に実現した。9月の来日直前には、骨折だけでなくメンバーのビル・チャンプリンの脱退も重なり、ファンにとっても不安な時期を過ごしていたのではないだろうか。しかし、そこはさすが40年以上のキャリアの中で誇るスーパー・バンド。そんな心配を払拭するステージをみせてくれた。今回素晴らしい歌声を披露してくれたルー・パディーニを新メンバーに迎えただけでなく、フー・ファイターズとも活動していたパーカッションのドリュー・へスターも参加。そのためパーカッショニストがメンバーに在籍していた70年代のシカゴを彷彿とさせるブラス・ロック・サウンドに、厚みとビートが加わったライブを披露してくれた。

 ステージは彼らの顔でありアイデンティティである"Chicago"のロゴを大きく背に掲げただけのシンプルなもので、ステージ上に配置されたキーボードなどの楽器もシンプル。ライブパフォーマンスも、彼らのステージ衣装が物語っているように非常に"ラフ"。この着飾らず、格好つけすぎないことこそが、シカゴの大人の魅力であり、ベテラン然としている。楽しそうにブラスを演奏するジミー・パンコウやリー・ロックネイン、ハイトーンボイスのジェイソン・シェフもごく自然に高音を奏で、キース・ハウランドはギターサウンドへ心酔。ドラムのトリス・インボーデンは激しいドラムソロもあったが、終始笑顔だった。また、キーボードブースで一人紳士な井手達だったロバートも、骨折した足が完治していることをアピールするかのように、「サタデイ・イン・ザ・パーク」ではショルダーキーボードに持ち替え、ブースを飛び出しステージ前面でパフォーマンス。これだけ聞くとメンバー個々が自由でバラバラに聞こえるが、音がピッタリあってひとつの太い幹が出来上がっているから一体感がある。しかも目配せすることなく、ピッチやテンポもぴったりあわせられるのはベテラン故の、巧みの技と言えるだろう。

 さて、セットリストだが、社会的なメッセージ色が強かったと言われているシカゴのファーストアルバムのからの一曲「イントロダクション」から始まり、彼らのサウンドにポップスの要素が加わったことで、大ヒットとなった「素直になれなくて」など、まさに彼らの40年の歴史を振り返るにふさわしいナンバーをセレクト。「今回のライブでは、普段やらない曲もやるよ。」と事前インタビューでロバートが言っていたとおり、「遥かなる愛の夜明け」なども演奏された。これは実に計算されたセットリストだ。シカゴ40年の歴史を網羅できているのはファンの中でも一部だろう。それ以外のファンにも配慮し、40年の歴史から一部だけを切り取ることなく、まんべんなく披露してくれたのは、彼らの優しさであり、最高のファンサービスだ。

 平均年齢60歳を越えたベテランバンドだが、「永くライブ活動を続けることが難しい現状にも関わらず、今も活動できることに感謝している。」と、以前ロバートが話していた言葉が形となって見えた、歓喜に満ちたライブパフォーマンスだった。

■セットリスト

1:イントロダクション/クエスチョンズ67/68
2:ダイアログ
3:愛ある別れ
4:遥かなる愛の夜明け/モンゴヌークレオイシス
5:いかした彼女
6:いったい現実を把握している者はいるだろうか?
7:君は僕のすべて/アライヴ・アゲイン
8:追憶の日々
9:忘れ得ぬ君に/君こそすべて
10:ビギニングス
11:アイム・ア・マン
12:君とふたりで
13:素直になれなくて/ゲット・アウェイ
14:サタデイ・イン・ザ・パーク
15:愛のきずな
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EN-1:バレエ・フォー・ア・ガール・イン・バキャノン
EN-2:自由になりたい
   長い夜


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