
その人を語るときに、まず威厳のある言葉が付いてしまう人っているものです。
渡辺貞夫さんは、必ず「日本のJAZZの草分け」とか「日本のジャズメンの中で最初に海外に成功した人」とか、必ずそういう言葉が付く人。
思えば、70年代に吹き荒れたFUSION旋風は、海外からのみならず、日本のアーティストも巻き起こしておりました。渡辺香津美や彼が率いるKYLYN、浪速エキスプレス、カシオペア、スクエア、パラシュートなどなど・・・。その他にも、阿川泰子やら笠井紀美子やらマリーンやらのボーカルによるオシャレJAZZブームもあったりしました。
でもその中で、一番テレビから流れてきたのはナベサダのサックス。音だけでなく、ナベサダさん本人もテレビによく出てました。70年代には資生堂ブラバスのCMキャラクターやったり、スクーターのCMに出てたり、車やビールのCMにも出てたり・・・。僕たちの記憶の中には、ブラウン管(液晶じゃないよ!)から見るナベサダさんの人なつっこい顔と、軽快なサックスの音がずっと刻み込まれています。
で、ロックに飽き足らなくなったアマチュア・ギタリストがラリー・カールトンの「ルーム335」をコピーしはじめたように、中高生のブラバンでサックス吹いてる人たちは、こぞってナベサダさんのサックスをコピーし始めたました。そういう意味でいうと、管楽器奏者のJAZZ・FUSIONへの入り口をぐぐっと広げた人です。
さて、70年代後半に名盤『カリフォルニア・シャワー』で大ブレイクした後、ワーナーに移籍したナベサダさんのワーナー時代に出した作品が、このたび全てデジタル・リマスタリングを施し、2300円で再発売されることになりました。全米ジャズ・チャートを席巻したアルバムも多数。
リマスタリングされた音を聴いてみたのですが・・・・いやもう、音がいい。それはマスタリングされたから音がいいっていうもあるのですが、そもそもがいい音・・録音もアレンジも演奏も・・・なのです。
14枚もあって迷ってしまうのですが、まずは大ヒットした『Rendezvous(ランデブー)』あたり聴くもよし、4ビートのジャズが聴きたければ『Parker’s Mood』あたりもよし。
しかし、個人的に一番のオススメは『マイシャ』。本人によるプロデュースが冴えた秀作です。
今でも「日本のJAZZ界で初めて・・・」的に紹介されることが多いナベサダさんですが、彼の音楽がテレビから頻繁に流れていた時代は、そんな説明とは関係なく聴いてた人がほとんどでした。思えば80年代のフュージョン・ブームのときは、小難しい理屈抜きで、単純に「心地よいから」という理由でフュージョンを聴いてた人が多かった・・・だから盛り上がったんだと思います。
理屈好きのフュージョン好きとしては、「さわやかサウンド」「ドライブに最適」みたいに語られるのはものすごく嫌だったのですが、我々はもう片意地を張るような気力も体力もない年齢になりました。
だから今、ハッキリ言いたいのです。
「ドライブのときに、ナベサダを聴け!気持ち良いぞ!」
でも、全部聴いたあとに、あらためて「やっぱナベサダ凄いわ!」って理屈を語りたがるのですけど・・・。
追伸:
この間、取材でワーナーに来られたとき、記念撮影してもらいました。気さくで飾らず、朗らかなお人柄。
最高です。永遠に応援してます!
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ナベサダが1983~1993年のエレクトラ/ワーナー在籍時に発表した名作全14タイトルが、
初の24Bit・デジタル・リマスタリング仕様で登場!