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奇妙礼太郎の弾き語りワンマンライブ「奇妙礼太郎 独演会」拍手喝采にて終了!上野恩賜公園野外ステージに集まった1000人のファンを魅了した!

2016.5.10

奇妙礼太郎が5月7日(土)に東京・上野恩賜公園の野外ステージにて弾き語りによるワンマンライブ「奇妙礼太郎 独演会」を開催した。

奇妙礼太郎トラベルスイング楽団やアニメーションズのボーカルとしても活動し、2013年には初の弾き語りによる全国ワンマンツアーを実施。昨年11月には天才バンドのメンバーとしてメジャーデビューを果たすなど、様々な形態での活動が知られる奇妙だが、この日は、それぞれのバンドのオリジナル楽曲やカバー曲に加え、「上野〜浅草」や「スカイツリーの唄」、「西郷隆盛ロケンロール」など、上野にちなんだご当地ソングを即興で披露。同所での開催は3度目になるが、弾き語りで行われるソロライブの集大成とも言える内容で、ゴールデンウィーク最後の週末に集まった観客を魅了した。

オープニングのSEはディスコの女王ことドナ・サマーの名曲「HOT STUFF」。会場から自然と沸き起こったクラップに合わせて、白の着物に長羽織をはおった和装でステージに登場した奇妙は、センスを振りながら観客の声に応え、「これで弾けるかどうかわからないけどやってみよう」と話しながらアコギを手にし、天王寺でダンスを踊る女の子を主人公にした天才バンドの「天王寺ガール」でライブをスタートさせた。サビのロングトーンで椅子から転げ落ちそうになり、1曲を終えたところで早くも羽織と足袋を脱ぎ、同じく天才バンドによる失恋ソング「恋のマジック」では、静かな語り口から徐々に感情を高めていくレンジの幅をダイナミックに響かせた。
その後、奇妙は「45回転」「十円の裏」「カトリーヌ」と、ライブでの定番曲を連発し、時にはマイクを使わずに会場との和やかなコール&レスポンスで盛り上げた。続くMCで「時間が合ったからこのあたりをメモしてた」と話した彼が、浅草橋から花やしきや浅草公会堂を経て、上野動物園へと向かうご当地ソング「上野〜浅草」を即興で披露すると、会場からは大きな拍手があがった。

ライブ中盤ではさらにスカイツリーや西郷隆盛、蛇骨湯をモチ-フにしたご当地ソングをアドリブで歌にし、アニメーションズやトラベルスイング楽団、天才バンドの曲をから尾崎豊のカバー「ダンスフロア」までを自由自在に繰り出していく。ブルース、フォーク、ロックンロールに、ジャイブやスイング、スロウなバラードまで。弾き語りによるソロライブは事前にセットリストを決めず、その日、その場所のムードに合わせて歌うのが通例。次第に“ダンス”というキーワードが頭に浮かんだりもするが、どんな曲がどんなアレンジで歌うのか分からないという予測不可能性も独演会だからこその醍醐味だろう。

ライブの構成が全く決められていないことは、観客にもはっきりとわかるシーンがあった。曲の途中で「おかしいな?」と首をひねり、チューニングを始めた天才バンドの「firefly」のパフォーマンス中に突如、「スペシャルゲスト!」と叫び、ステージ袖に視線を集めたが誰も出てこない。そんなことはお構いなしにパフォーマンスを続ける奇妙の歌に、次第にハーモニ-が重なり始め、天才バンドのSundayカミデが紋付袴で登場。大きな歓声を浴びた彼は、「僕の出番、アンコールだと思ってました」と苦笑しながら急いでステージにあがったことに加え、「firefly」が奇妙と初めてステージを共にしたクラブの名前であることを明かし、最後に彼のピアノで松田聖子のカバー「SWEET MEMORIES」と天才バンドの「LOVE STORY」をメドレーでつなぎ、心地よいファルセットの余韻を残し、二人仲良くステージを後にした。

アンコールでは、再び二人で登場し、ライブでしか聴けない「サバイバルダンス」では会場全体でのシンガロングとウェーブが巻き起こったが、特筆すべきは、サントリーオールフリーのCMでカバーした「赤いスイトピー」を切々と歌い上げたことだろう。優しくロマンチックで、シニカルで寂寥感もある。そんな歌声だけで聴き手を感動させる本物のヴォーカリストである奇妙礼太郎の名を世に知らしめる契機となった松田聖子のカバーを2曲も歌ったのは、観客へのサービスであるとともに、弾き語りライブにここで区切りをつけるという意味合いもあったのではないだろうか。

「奇妙礼太郎」「天才バンド」として、今後もフェスなどのイベントには参加が予定されているが、奇妙礼太郎トラベルスイング楽団は、今春に開催された「サンキューグッドバイ!THE LAST SWING 2016 ~天国だな!地獄のロックンロールショウ!~」を持って解散。つまり、現時点では、“天才バンド”と“奇妙礼太郎”という2つの形態での活動に焦点を絞ったと言える。オフィシャル HP を見る限りこの上野公演以降の弾語りライブはほとんどアナウンスされておらず、“弾き語り”というスタイルでのワンマンライブは本公演でしばらく見られなくなるかもしれない。ソロのヴォーカリストとしてどんな活動を見せるのか?詳細はまだ分からないが、オリジナルであれ、カバーであれ、どんな楽曲でも自分の歌にしてしまう奇妙礼太郎という他に類を見ないヴォーカリストの今後の動向に注目したい。
(文・永堀アツオ)





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