2025年7月11日、ソプラノ歌手マティワルダ・ドブスの生誕100年（2015年に亡くなりました）。今日ではやや忘れられた存在となっている彼女ですが（その主な理由は録音の数が少ないことにあります）、当時としてはまさに先駆者でした。オペラ界で活躍した最初期のアフリカ系出身の一人でありました。

アトランタ出身で、キング牧師の一家とも親しかった彼女は、1952年に舞台デビューを果たし、すぐに一流の劇場から注目される存在となりました。1956年には、マリアン・アンダーソンに続いて、メトロポリタン歌劇場で主役を務めた二人目の黒人女性となりました。

このリサイタル録音は、彼女が絶頂期にあった頃のもので、リムスキー＝コルサコフ、マスネ、ドリーブ、ベッリーニのアリアに加えて、ヴェルディの《リゴレット》の抜粋も収録されており、彼女はジルダ役を演じ、ロランド・パネライと共演しています。1953年録音。