新しい道を着実に歩み始めたアンドレア・コアー。アルバム全体のサウンド・プロデュースはアンドレアも大好きだったというネリー・フーパーが手掛けたことは以前もお知らせしましたが、いろいろな人のオファーを断ることでも有名なネリーが引き受けてくれた裏には、当然アンドレアが書いた曲の良さやオーディション的なトライアルに合格したこと以外に、この人たちの功績も忘れてはなりません。
その人とは、アンドレアがアイルランドのダブリンで一番、それも同じくらい仲がいいというU2のボノとギャヴィン・フライデー。二人はアルバムのエグゼクティヴ・プロデューサーとしても名を連ねていますが、とにかく二人とも「俺たちはアンドレアの叔父さんだ!」というくらい、公私ともに仲がいいらしく、アンドレアの書いた曲を聴いた二人は、異口同音に「プロデュースはネリー・フーパーしかいない!」と言ったそうです。
そしてボノがネリーに電話をして、「アンドレアがとても素晴らしい特別な曲を作ったから一度聴いてみてよ」と、口添えをしてくれたようです。実際にはボノの関わりは最初だけで、あとはアルバム制作の途中経過を気にしてくれたり、レコード会社とのミーティングに参加してくれた程度だったようですが。

アンドレア・コアーの初ソロ名義作となった、映画「イン・アメリカ」の主題歌でデュエットも果たしたギャヴィン・フライデーは、アルバムの中で唯一のカヴァー曲の選定にも力を貸してくれたようです。ネリー所有のたくさんのアナログ・レコードの中で彼が絶対これがいい!と選び、ネリーもアンドレアも同意したのが、パブ・ロック・バンド、スクイーズの1978年の大ヒット曲「テイク・ミー・アイム・ユアーズ」だったのです。