天才少女として一世を風靡したムター、彼女が21歳の時の演奏です。カラヤンとしては2度目の《四季》で、分厚い響きと雰囲気は彼ならではのもの。ムターもそれに応え、彼女なりのたっぷりとしたヴィブラートを効かせたヴァイオリンで、優雅な《四季》の世界を巨匠と構築します。2014年リマスター。

10代で血気盛んだったムターの演奏です。しかしアッカルドの懐の深さが影響しているのか、ロマンティックで優しく口当たりの柔らかなバッハに仕上がっています。音楽の隅々にまで配慮が行きわたった手厚い表現が聴き手に共感を呼ぶ、優れた内容になっています。

アンネ・ゾフィ=ムターと小澤征爾の初共演盤として注目された作品です。情熱的で力感に富みながら、技術的にも完璧にコントロールされたムターのヴァイオリンをサポートする小澤の、これまた完璧ともいえるオーケストラ・ドライブ。両者の美点が合致した見事な作品に仕上がっています。

現在の円熟の境地を予感させる、才気あふれるムターのモーツァルト。

洗練された優美なヴィヴァルディ。ウィーン・フィル唯一の《四季》としても貴重。

ムターと小澤の初共演盤。エキゾティックなラロ、そしてすでに「女王」の貫禄を感じさせる《ツィゴイネルワイゼン》。