Augustin Dumayオーギュスタン・デュメイ

Profile

 世界の批評家たちは、オーギュスタン・デュメイを「モダン・ヴァイオリンの大家の一人」と称賛し、その「この上なくエレガントな演奏スタイル」と「類いまれな美しい音色」を高く評価しています。その名声は、ワーナークラシックス(旧EMI)、ドイツ・グラモフォン、オニックスからリリースされた40枚以上もの録音によっても裏付けられています。その多くがグラモフォン賞、ドイツ批評家賞、グランプリ・ディスク、日本のレコード・アカデミー賞など、数々の権威ある賞を受賞しています。

 デュメイは10歳でパリ音楽院に入学し、13歳でプルミエ・プリ(一等賞)を獲得。その1年後にはシャンゼリゼ劇場とモントルー音楽祭でデビューを果たしました。早くからフランスの聴衆を魅了していましたが、1980年のヘルベルト・フォン・カラヤンとの出会いが、彼の国際的なキャリアを切り開く大きな転機となりました。カラヤンは、自身のスタジオでのレコーディング・セッション中に偶然デュメイの演奏を耳にし、すぐに彼をベルリン・フィルハーモニー管弦楽団との共演に招いたのです。

 以来、ロンドン交響楽団、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団、バイエルン放送交響楽団、ロサンゼルス・フィルハーモニックなど、世界有数のオーケストラと共演を重ねてきました。共演した指揮者も、ラファエル・クーベリック、サー・コリン・デイヴィス、小澤征爾、クルト・ザンデルリンクといった巨匠から、アラン・ギルバート、ダニエル・ハーディング、ロビン・ティチアーティら現代を代表する若手に至るまで、壮観な顔ぶれが並びます。また、ベルギーの映画監督ジェラール・コルビイによるドキュメンタリー映画『Augustin Dumay, laisser une trace dans le cœur』も制作。

 近年は指揮者としての活動にも力を注いでおり、イギリス室内管弦楽団、シンフォニア・ヴァルソヴィア、新日本フィルハーモニー交響楽団などを指揮しています。ベルギーのワロニー王立室内管弦楽団では2003年から2013年まで音楽監督を、その後2015年まで首席客演指揮者を務めました。日本の関西フィルハーモニー管弦楽団とは特に縁が深く、2011年から2024年まで音楽監督を務め、現在は名誉指揮者としてその関係を続けています。さらに、2004年からはブリュッセルのエリザベート王妃音楽学校でマスター・イン・レジデンスとして、才能ある若手ヴァイオリニストの指導にもあたっています。

 使用楽器は、かつて名手レオニード・コーガンが愛用した1743年製グァルネリ・デル・ジェス。

WARNER MUSIC JAPAN SPECIALS