バッドフィンガーの前身となるパンサーズは1961年にピート・ハムとトム・エヴァンスを中心に結成され、その後アイヴィーズと名前を変えて活動中にアップルのマル・エヴァンズに認められ、1968年にアップル・レコードから『メイビー・トゥモロー』でデビュー。しかし、このアルバムはイタリア、西ドイツ、そして日本でしかリリースされず、売り上げも芳しくなかった。
1969年、アイヴィーズは再出発をはかるにあたり、バッドフィンガーと改名、ビートルズの弟分的存在として、1969年にリンゴ・スター出演の映画マジック・クリスチャンのテーマ曲「マジック・クリスチャンのテーマ」で再デビューを果たし、同曲は全米チャートのトップ10に入るヒットとなった。1970年にはセカンド・アルバム『ノー・ダイス』をリリース。ビートルズ・メンバーの作品にも参加し、「バングラ・デッシュのコンサート」にも全員で参加した。1971年には3枚目のアルバム『ストレート・アップ』をリリース。4枚目にしてアップルでの最後のアルバム『アス』はアメリカでは1973年にリリース、本国イギリスではトラブルがあり1974年5月にやっとリリースされている。
その後ワーナー・ブラザースで1974年に『涙の旅路』、『素敵な君』を発表、その後ピートの自殺などの悲劇があり、1978年ジョーイとジョー・タンシンの行っていたセッションにトムを迎えて、バッドフィンガーが再結成され、エレクトラ・レコードと契約し『ガラスの恋人 』として発表。しかしその後トラブルの後、トムが自殺。バッドフィンガーの歴史に完全に終止符が打たれた。その後は、マイクも2005年就寝中の突然死により他界。現在も存命のジョーイは「ジョーイ・モーランズ・バッドフィンガー」として活動を続けている。