ちゃんみな

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9月2日(金)配信の「TOKYO 4AM」オフィシャルインタビュー公開!

2022.8.27

ちゃんみな『TOKYO 4AM』私の過去と記憶と命がある場所


今年1月に韓国への進出を発表したちゃんみなは、制作のためにアメリカや韓国に渡り、次なるプロジェクトの準備を着々と進めている。先日、全編韓国語の楽曲を9月から続けてリリースすることを発表したばかりだが、そのかたわら、これまでと同じように日本語楽曲の制作も進めていた。『TOKYO 4AM』は、外に出たことで改めて気づいた自身のルーツや、東京で過ごした過去=命を愛おしむ楽曲だ。Paraviオリジナルドラマ『-50kgのシンデレラ』の主題歌でもあり、ちゃんみなにとって初めての書き下ろし楽曲でもある。これまで彼女を愛してきた「周囲の人たちやファンを想いながら書いた」という楽曲の背景には、どんな考えがあったのか。
インタビュー・文 山田宗太朗


アメリカ・韓国での制作を経て

ーー今年は1月にテレビ番組で韓国への進出を発表し、その後は楽曲制作のためにアメリカや韓国に行っていたそうですね。

4月からNYとLAに行き、そのあと韓国に行って、2ヶ月くらいは海外にいました。韓国にはつい最近もまた行ったし、着々とプロジェクトが進んでいます。毎回「人生でいちばん忙しいかも」と感じているけれど、今回もちゃんとそう感じていますね。ただ、これまでとは忙しさの種類が違うかもしれません。というのも、いつもと少し違う作業をしているんです。

たとえば、他のアーティストへの楽曲提供とか。私は自分のために音楽をやっていたので、曲を書く際、自分を外して考えることがほとんどありませんでした。でも今は誰かが求めてくれて、誰かのためにも曲を書いている。「どうすればこの人がより良く見えるだろう」と考えるのは新鮮で、新しい挑戦です。楽しいですね。

ーー以前から楽曲提供に興味があったんですか?

最終的には目標にしていました。私が歌わなくても誰かが歌ってくれて、私の意志みたいなものだけが生きている状態。それくらいまで自分の楽曲が広まってくれることを将来的には望んでいたけれど、意外と早く訪れてくれました。

ーー野暮を承知で質問しますが、韓国で制作しようと思ったのはなぜでしょう?

韓国語で曲を書くからです。私は韓国で生まれて韓国に住んでもいたけれど、それって子どもの頃の話なんですよね。今、韓国の人たちはどんな空気を吸って、どんな悩みを抱えて、どんな希望を抱いているのか、そういうものが気になったし。だから実際に韓国に行って、その空気を吸って、韓国の人たちと関わることが必要だと思ったんです。単純に私の中で止まっていた韓国での時間が少しでも進むことで何を思うのか気になりました。

ーー行ってみて、どうでした?

やっぱりアップデートするものがありました。
私の年代の子が使う言葉も昔とはだいぶ変わっていたので、新鮮でした。

ーーすると、曲作りにも影響がありそうですね。

そうですね。新しい感情になるたびに曲を書きたくなるから、私にとって韓国はインスピレーションの宝庫だと思いました。日本にいる私はどうしても大人になってしまっていて、ひねくれた部分があったり、無意識のうちにこれまでの経験をもとに色んなものをジャッジしたりしていると思うんです。でも韓国に行くと、まっさらな気持ちでものごとを見ることができる。そういうピュアな部分が出る気がしますね。


私の過去は東京にあり、その記憶が命を作っている

ーーでは改めて、『TOKYO 4AM』制作の背景を教えてください。

さっきの話に通じるんですけど、私は東京で生きてきたので、東京のあちこちに自分の記憶があるんです。その記憶が私を作っている。そう考えると、東京の記憶が私の命そのものなんじゃないかと思うんです。韓国からの帰りの飛行機で、空から見た東京が私の命に見えました。そして、愛おしく感じました。私の過去は東京にあり、東京で生きてきたこと自体が愛おしく幸せだと感じました。

私は朝方に起きていることが多く、4時頃になると、どこにいても東京を思い出します。ラブソングのような歌詞だけれど、愛する東京を歌った曲でもあります。

ーー東京というと、アルバム『ハレンチ』に『東京女子』という曲がありましたが、そこで歌われている東京は電子的で冷たく、孤独なニュアンスがありました。今回の『TOKYO 4AM』は、それとはかなり印象が異なります。東京に対する考え方・見方が変わったのでしょうか?

その通りですね。『東京女子』の時はずっと東京の部屋にこもって制作していたから、主観的な視点に立てたからこそ、ああいう曲になったんだと思います。でも今回、東京の外に一定期間出たことで、愛しいものが大きく見えてきたんです。

ーー曲の途中で歓声が入ってきますよね。ひとつの重要なポイントだと思いました。

一言で言ってしまえば「自分が愛されていた証や記憶」みたいなものですね。孤独を感じたこともあるけれど、やっぱり愛しているものもあるし、離れて欲しくないものもたくさんある。それに周囲にいる人やファンの人たちが愛してくれたことは確かだから、『東京女子』とは真逆のニュアンスを出したかったんです。電子的な関係ではなく、名前のある人と人との付き合いというか。

ーー韓国進出を発表して、今後はK-POPサウンドに寄せていくのかなと思ったファンもいたと思います。今後そういう曲を出すかもしれないし、実際、韓国語の作品を9月から続けてリリースすることも発表されていますが、それと同時にこれまでのファンに寄り添うような曲も発表するのは素敵ですよね。

この曲は、周囲の人やファンの人たちのことを考えながら書いていました。フレーズはすごく簡単なんです。今回はシンプルでいいと思って。ひとりで歌い上げたりきれいなコーラスを入れたりするより、誰でも歌えるようなフレーズにしたかったんです。


シンプルな言葉に複数の意味や感情を持たせたい

ーー歌詞を見ていくと、ずっと「君と私」や「friends」について歌っていますが、最後だけ「あなたを歌う」と人称が変わっています。

私にとって「あなた」はすごく大切な人に向けて使う言葉です。ハグするみたいに、大切なマークを押すみたいに付けています。私の周囲にいる人やファンの人たちはものすごく大切だから、そういう人たちのことを想ったら、最後にやっぱりマークを押しておきたいと思ったんです。これが元カレとかならそうはしなかっただろうけど(笑)、死ぬ前にも思い出すであろう人の曲には「あなた」のマークを押したいんです。

ーー全体的に歌詞が素直になってきていませんか? スランプを越えて『ハレンチ』ができて、その後の『太陽』あたりから、言葉の使い方が少し変わってきた気がします。

そうですね。ただ、意図はしていないんです。なぜかピュアになっている。

ーー一時期、日本語の面白さに目覚めて小説にハマっていたじゃないですか。そのあたりのインプットが染み込んできたんでしょうか。

たしかに、シンプルな言葉に意味を持たせるのは技だな、という認識になってきました。その言葉だけを見たら普通だけど、前後の流れを見ると違う意味にも捉えられるとか、元々の意味を越えた感情を持たせるとか、最近はそういう書き方にハマっているかもしれません。

ーー『TOKYO 4AM』の歌詞で、個人的に気に入っている箇所はありますか?

そうですね……「忘れらんない君との夏 少し長いキス」ですね。

ーーなぜ?

「少し長いキス」って何だと思います? たとえばこれを「短いキス」や「長いキス」と書くと、意味が全然違いますよね。「短いキス」には照れが含まれているかもしれないし、ただのアクシデントかもしれない。「長いキス」だと、下心が含まれて性的になる可能性がある。でも「少し長いキス」は、気持ちがど真ん中のピュアなキスだと思うんです。感情が行為に勝っている。

これって、女の子が自慢しているようなニュアンスにも聞こえませんか? 「キスしたの。しかもちょっと長かったんだ」みたいな。あるいは、後半になるとちょっと思い出っぽくも聞こえてきたり。「あの時は感情があったんだ、すごくピュアな恋をしたんだ」みたいな。こうやって同じ言葉でも意味が微妙に変わって聞こえるフレーズなので、すごく気に入っています。


この主人公は、まさに私そのものだと思った

ーーちなみにこの曲はドラマ『-50kgのシンデレラ』の主題歌でもあります。

最初にこのお話をいただいた時、タイトルにパンチがありすぎて、ちょっと迷いました。つまり、「痩せなきゃかわいくない、モテない」という意図のあるドラマなら、それは私の考えに反するから。でも話を聞いていくと……あまりネタバレになるようなことは言わない方がいいかもしれないけれど、このドラマの趣旨と私の考えが一致していることがわかったんです。それで書かせていただくことになりました。

ーー初めての書き下ろし曲ですよね。

そうなんです。だから、ドラマサイドの方が「今までのちゃんみなの感じでいいです」と言ってくださったことは大きかったですね。正直、『TOKYO 4AM』の内容は、ドラマとはほとんど関係ありません。でも、私はこのドラマの主人公と同じような経験をしたことがあるんです。私の見た目が変わっても変わらなくてもファンの人たちはいてくれたし、周りの人たちもいてくれた。どんな姿でも私を受け入れてくれる人がいた。そう考えると、共感するどころか、この主人公はまさに私そのものだと思ったんです。

だから、本当にただ素直に自分の曲を書きました。「これ、たぶん駄目だよなあ……」と半分思いながらも提出したら「いいです!」と言ってくれて。ドラマ制作チームからの愛を感じてすごくありがたかったです。

ーーでは最後に、今後の予定についてはどうでしょうか? 韓国での活動について、現時点で言えることは何かありますか?

今、絶賛取り組んでいる最中です。ただ、曲はたくさんできています。リリースする曲も決まっています。その詰め作業がたくさんある状況ですね。

それから、この数ヶ月間はあまり情報を出していなかったので、ファンのみんなには、待たせてごめんね、待っていてくれてありがとうと伝えたいです。
 
  • SINGLE
  • 配信限定

TOKYO 4AM

2022.09.02 配信/5054197326905

    ちゃんみなTOKYO 4AM

    • SINGLE
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    2022.09.02 配信/5054197326905

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