2025年8月31日に50歳の誕生日を迎えるダニエル・ハーディング。 1990年代から2000年代にかけて10枚のアルバムをレコーディングしたヴァージン・クラシックス・レーベルでのデビュー作となる本作は、ヴィトルド・ルトスワフスキの作品を多彩かつ折衷的に概観するもの。イウワコヴィチュヴナの詩による5つの歌曲はセリアリズムに深く根ざしており、シュルレアリスト詩人ロベルト・デスノスのテキストに基づく楽器演奏の珠玉ともいえる「歌の花と歌のお話」も収録されている。後者は作曲家最後の作品群の一つであり、創唱者であるソルヴェイグ・クリンゲルボルンによって演奏されている。1997年録音。

ハーディングが、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団を指揮した「田園」 2022年10月27日ライヴ録音

ニコラス・モー(1935-2009)はブリテン以外では余り知られないが、母国では重要視され称賛される。公演や録音でモー作品を採り上げる機会を多く持つハーディングによる、新古典スタイルの作品。1995年録音。