我々は“デヴェ様”に追いつけたのか？
フリー・フォークからサイケデリック・ロックまで。縦横無尽にミュージック・シーンを走り、圧倒的な存在感を放つ、オーガニック・サウンドの貴公子「デヴェ様」こと、デヴェンドラ・バンハートの２年ぶりのニュー･アルバム！
（通算6作目）

フリー・フォークの貴公子、髭を剃って再見参！耳の肥えた音楽通から華やかなハリウッド・セレブまでもを虜にする現代ポップ・シーン随一のセックス・シンボルのニュー・アルバムは、ポール・バトラー（バンド・オブ・ビーズ?ザ・ビーズ）と組み、まったく新しい領域に挑んだヒューマン・ネイチャー・ミュージック。米ヒューストン生まれ、南米ベネズエラ育ち。パリやヨーロッパの放浪を経て西海岸に着地するも、今なお根無し草のようにコミューン生活を送る28歳の、アパラチアン・スタイルのフォークからもトロピカリズモ系ブラジル音楽からも解放されたシルキーな歌声とアコースティック・サウンドがここに風と共に揺らぐ。

ジョアンナ・ニューサムらと共に“フリー・フォーク・シーン”を牽引し、伝説の女性シンガー、ヴァシュティ・バニヤンの復活にも一役買ったデヴェンドラ・バンハート。英トラッド・フォークや西アフリカのフォーク、ブラジルのトロピカリズモなどの影響を受けた新たなスタイルのアコースティック・ミュージックで世界規模の旋風を巻き起こしたそんな“フリー・フォークの貴公子”が、自身の活動がまったく新しいフェーズに入ったことを高らかに告げるニュー・アルバム『ホワット・ウィル・ウィ・ビー』を発表する。ベースメント・ジャックスらで知られる人気レーベル＝XLからのリリースとなった『スモーキー・ロールズ・ダウン・サンダー・キャニオン』（07年）に続き、メジャーのワーナーに移籍して届けられる今作は、イギリスのサイケデリック・モダン・ポップ・バンド、ザ・ビーズ（バンド・オブ・ビーズ）のポール・バトラーをコ・プロデューサーに迎えた意欲作。お馴染みの音楽仲間とのコミューン生活の中から自然と生まれたような、限りなく緩やかな日常生活に即したメロディと演奏を基調としつつも、桃源郷を静かに追い求めるような幻想的な歌声と言葉が、これまで以上に芳わしい香りを放ちながら聴く者の心を揺さぶってくる。米ヒューストンで生まれ、南米ベネズエラに育ち、パリやヨーロッパの放浪を経て米西海岸に着地するも、今なお根無し草のように生きる28歳のヒッピー・セレブ・アーティストの気ままという名の本気がここにある。ハリウッド女優、ナタリー・ポートマン（デヴェンドラのプロモーション・ヴィデオにも出演）と浮き名を流し、オアシスからも直々にリミックスを依頼されるなど引く手数多の人気を誇るそんなデヴェンドラ・バンハートの新作『ホワット・ウィル・ウィ・ビー』は、まさにヒューマン・ネイチャー・ミュージックと呼ぶにふさわしい１枚だ。