2022年12月10日は、セザールフランク（1822-1890）の200周年を迎えます。ベルギーで生まれたが、その後フランス市民となった彼は、19世紀後半のフランス音楽の傑出した作曲家のひとりです。今日フランクは、管弦楽、オルガン、ピアノの作品と室内楽で特に賞賛されています。教師、指導者として、ダンディ、デュパルク、ショーソンなどの若い弟子たちに強力な影響を与え、また彼の謙虚さと寛大さは称賛を得ました。
　この「セザール・フランク・エディション」は、フランス音楽研究家、評論家、フランス芸術週間顧問でもある、フィリップ・ポーリー氏による監修のもと、ワーナーの名盤によって選曲された有名で重要な傑作を中心に集められています。その中には、「交響曲ニ短調」「ヴァイオリン・ソナタ」「前奏曲、フーガと変奏曲」、もちろん「天使の糧」も、そして名アーティストによる魅惑的な名演奏が収録されています。16枚のCDに及ぶこのコレクションには、トランスクリプションやアレンジ作品も含まれており、フランクが想像していたよりもさらに多様な解釈として魅了されていることを証明しています。1907年までさかのぼる歴史的録音の5枚のCDは、1890年の彼の死後の作品の継続的な成長と、彼の天才によって生み出された活気に満ちた演奏の伝統を証明しています。
　フランクは多作の作曲家でした。このボックスは、完全性を追求するのではなく、彼の最も重要で有名な作品に焦点を当てています。「交響曲ニ短調」はわずか3つの動きで構成され、交響詩などもドイツのロマン主義とフランスの古典主義を統合しています。修辞的かつ輝きが見られる「ヴァイオリン・ソナタ」、情熱的で強烈な「ピアノ五重奏曲」。オルガン的な響きと複雑な対位法が駆使されたピアノ作品、そして彼のオルガン作品群は最も重要なものであり、彼と最も密接に関係している楽器です。特にフランス音楽の進化において、大きな業績と幅広い影響力を持った作曲家に対する十分な演奏内容として、そうした作品に卓越した演奏ばかりが選ばれています。

各CDの紙ジャケットには、フランクと同時代に生きた
以下のフランス画家たちの絵画を使用。
テオドール・フェルストラーテ、ジャン・ベロー、アンリ・ファンタン＝ラトゥール、
アルフレッド・シスレー、ジュリアス・ルブラン・ステュワート、
ウィリアム・アドルフ・ブグロー、ジャン＝フランソワ・ミレー、
カミーユ・ピサロ、ヨハン・ヨンキント、

【収録予定曲】
セザール・フランク (1822-1890)：
《CD1》
人形の嘆き　FWV.20
緩やかな舞曲　FWV.22
　　［演奏］パスカル・ドヴァイヨン（ピアノ）［初CD化］
前奏曲、コラールとフーガ　FWV.21
前奏曲、アリアと終曲　FWV.23
前奏曲、フーガと変奏曲 ロ短調 FWV.30（ハロルド・バウアー編）
　　［演奏］アルド・チッコリーニ（ピアノ）
《CD2》
真夜中のミサのためのオッフェルトリム（30の小品 FWV.24より）
　［演奏］カレヴィ・イルマリ・キヴィニエミ（オルガン）
3つの小品 FWV.35-37
交響的大曲 嬰ヘ短調 FWV.29
パストラール ホ長調 FWV.31
幻想曲 ハ長調 FWV.16
　　［演奏］マリー＝クレール・アラン（オルガン）
《CD3》
前奏曲、フーガと変奏曲 ロ短調 FWV.30
3つのコラール FWV.38-40
祈り 嬰ハ短調　FWV.32
フィナーレ 変ロ長調 FWV.33
　　［演奏］マリー＝クレール・アラン（オルガン）
《CD4》
アンダンテ・クェイトーゾ 変ホ長調 FWV.5
協奏的二重奏曲 変ロ長調 FWV.6
　　［演奏］オーギュスタン・デュメイ（ヴァイオリン）
　　　　　　ジャン＝フィリップ・コラール（ピアノ）
ピアノ五重奏曲 ヘ短調 FWV.7
　　［演奏］ミューア弦楽四重奏団
ジャン＝フィリップ・コラール（ピアノ）
《CD5》
ヴァイオリン・ソナタ イ長調　FWV.8
　　［演奏］ルノー・カピュソン（ヴァイオリン）
カティア・ブニアティシヴィリ（ピアノ）
弦楽四重奏曲 ニ長調　FWV.9
　　［演奏］パレナン弦楽四重奏団
《CD6》
オラトリオ『贖罪』 FWV.52
　　［演奏］ベアトリス・ウリア＝モンゾン（メゾ・ソプラノ）、
　　　　　　ランベール・ウィルソン（ナレーション）
　　　　　　オルフェオン・ドノスティアラ合唱団
　　　　　　トゥールーズ・カピトール管弦楽団
　　　　　　ミシェル・プラッソン（指揮）
《CD7》
交響詩『ジン(鬼神)』 FWV.45
交響的変奏曲 FWV.46
交響詩『プシシェ』 FWV.47
　　［演奏］アルド・チッコリーニ（ピアノ：FWV.45,46）
　　　　　　ベルギー放送局合唱団（FWV.47）
　　　　　　リエージュ管弦楽団、
　　　　　　ポール・シュトラウス（指揮）
《CD8》
交響詩『アイオリスの人々』FWV.43
　　［演奏］アルミン・ジョルダン（指揮） バーゼル交響楽団
交響詩『呪われた狩人』FWV.44
　　［演奏］リッカルド・ムーティ（指揮） フィラデルフィア管弦楽団
交響曲ニ短調 FWV.48
　　［演奏］カルロ・マリア・ジュリーニ（指揮） フィルハーモニア管弦楽団
《CD9-10》
『ばらと蝶々』FWV.81
『ばらの結婚』FWV.80
『夜想曲』FWV.85
　　［演奏］ディートリヒ・フィッシャー＝ディースカウ（バリトン）
　　　　　　ハルトムート・ヘル（ピアノ）
『聖行列』FWV.88
　　［演奏］ビクトリア・デ・ロス・アンヘレス（ソプラノ）
　　　　　　ユーディ・メニューイン（指揮）バース祝祭管弦楽団
『3声のミサ曲』FWV.61～天使の糧
　　［演奏］カミーユ・モラーヌ（バリトン） 
マリー＝クレール・アラン（オルガン）
オラトリオ『至福』FWV.53
　　［演奏］ルイーズ・ルブラン(ソプラノ)
ジャーヌ・べルビエ (メゾ・ソプラノ)
ナタリー・シュトゥッツマン (コントラルト)
デイヴィッド・レンドール(テノール)
ピーター・ジェフズ (テノール)
マルセル・ヴァノー(バリトン)
フランソワ・ループ (バス)
ダニエル・オットヴェール(バス)
フランス放送合唱団
フランス放送ニュー・フィルハーモニー管弦楽団
アルミン・ジョルダン(指揮)
『主の右手は』（主の誓い）FWV.65
　　［演奏］イヴ・カスタニェ（オルガン）
パリ・ノートルダム大聖堂聖歌隊、アンリ・シャレー（指揮）
《CD11：トランスクリプション、アレンジ作品》
ヴァイオリン・ソナタ イ短調 FWV.8（ジュール・デルサール編）
　　［演奏］エドガー・モロー（チェロ）
ダヴィッド・カドゥシュ（ピアノ）
ヴァイオリン・ソナタ イ短調 FWV.8（ランパル編）
　　［演奏］ジャン＝ピエール・ランパル（フルート）
　　　　　　ピエール・バルビゼ（ピアノ）
『3声のミサ曲』FWV.61～天使の糧（ルネ・シャラン編）
　　［演奏］バーバラ・ヘンドリックス（ソプラノ）
　　　　　　ストックホルム室内管弦楽団、エリク・エリクソン（指揮）
『3声のミサ曲』FWV.61～天使の糧（ストコフスキー編）
　　［演奏］ヴォルフガング・サヴァリッシュ（指揮）　
フィラデルフィア管弦楽団
『3声のミサ曲』FWV.61～天使の糧（ジョン・ラター編）
　　［演奏］トム・ウィンペニー（オルガン）、
　　　　　　ケンブリッジ・キングズ・カレッジ合唱団
スティーヴン・クレオバリー（指揮）
『アヴェ・マリア』FWV.62（マルク＝オリヴィエ・デュパン編）
　　［演奏］マリー・キーロウズ修道女（ソプラノ）
　　　　　　オーヴェルニュ管弦楽団、アリー・ファン・ベーク（指揮）
《CD12：ヒストリカル録音》
前奏曲、コラールとフーガ ロ短調 FWV.21
　　［演奏］ブランシュ・セルヴァ（ピアノ）
　　［録音］5.VI.1930, Madrid 
前奏曲、アリアと終曲 ホ長調 FWV.23
前奏曲、コラールとフーガ ロ短調 FWV.21
　　［演奏］ジェルメーヌ・ティッサン＝ヴァランタン（ピアノ）
　　［録音］1954, Salle Aydar, Paris(2022年新リマスター：初CD化)
交響的変奏曲 FWV.46
　　［演奏］イヴ・ナット（ピアノ）
ピエルネ・コンサート協会管弦楽団
ガストン・プーレ（指揮）
　　［録音］17.IV.1942, Studio Albert, Paris
《CD13：ヒストリカル録音》
英雄的小品 ロ短調 FWV.37
前奏曲、フーガと変奏曲 ロ短調 FWV.30
　　［演奏］マルセル・デュプレ（オルガン）
　　［録音］25.VI.1926, 17 &19.VI.1929, Queen’s Hall, London
コラール第3番 FWV.40
　　［演奏］アンドレ・マルシャル（オルガン）
　　［録音］IV.1948, Église Saint-Eustache, Paris
パストラール ホ長調 FWV.31
3つのコラール FWV.38-40
　　［演奏］エドゥアル・コメット（オルガン）
　　［録音］31.V.1928 , 5& 7 VII.1955, Primatiale Saint-Jean, Lyon (2022年新リマスター)
《CD14：ヒストリカル録音》
ヴァイオリン・ソナタ イ短調 FWV.8
　　［演奏］ヤッシャ・ハイフェッツ（ヴァイオリン）
　　　　　　アルトゥール・ルービンシュタイン（ピアノ）
　　［録音］3.IV.1937, London
弦楽四重奏曲 ニ長調 FWV.9
　　［演奏］プロ・アルテ弦楽四重奏団
　　［録音］8.V.1933, Abbey Road Studios, London
《CD15：ヒストリカル録音》
前奏曲、コラールとフーガ ロ短調 FWV.21
　　［演奏］サンソン・フランソワ（ピアノ）
　　［録音］14.IX.1955, Salle de la Mutualité, Paris
ピアノ五重奏曲 ヘ短調 FWV.7
　　［演奏］ジャンヌ＝マリー・ダルレ（ピアノ）
　　　　　　パスカル弦楽四重奏団
　　［録音］20.V.1952, Studio Magellan Paris(2022年新リマスター)
『聖行列』FWV.88 
　　［演奏］ベルテ・オーグス・ドゥ・モンタラン（ソプラノ）
　　［録音］1907年
『ばらの結婚』『美しい芝生が広がるところ』『夜想曲』
　　［演奏］ジョルジュ・ティル（テノール）
　　　　　　モーリス・フォーレ（ピアノ）
　　［録音］1936-1937年、
オラトリオ『至福』FWV.53～第4番（抜粋）
　　［演奏］ジョルジュ・ティル（テノール）
　　　　　　エリー・コーエン（指揮）管弦楽団
　　［録音］18.X.1927
『3声のミサ曲』FWV.61～天使の糧
　　［演奏］ベニャミーノ・ジーリ（テノール）
ベルリン国立歌劇場管弦楽団＆合唱団
ブルーノ・ザイトラー・ヴィンクラー（指揮）
　　［録音］2.VI.1936
《CD16：ヒストリカル録音》
交響曲 ニ短調 FWV.48
　　［演奏］フィリップ・ゴーベール（指揮）
パリ音楽院演奏会協会管弦楽団
　　［録音］6, 9 & 15.X.1928
オラトリオ『贖罪』FWV.52～第５曲「交響的間奏曲」
交響詩『プシシェ』FWV.47～管弦楽組曲
　　［演奏］ピエロ・コッポラ（指揮）
パリ音楽院演奏会協会管弦楽団
　　［録音］1930年

※多くのリスナーの方に低価格で音楽をお聴き頂きたく、歌詞対訳は付いておりません。

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EAN: 0190296317859