1960年にロンドンのウィンブルドン劇場で初演され、それまでのウエストエンドでのミュージカルのロングラン記録を塗り替えるほどの大ヒットとなった『オリバー!』。その後ブロードウェイでも上演となり、当時の英国ミュージカル作品のブロードウェイでのロングラン記録を更新するほどの成功を収めたという。ロンドンのウエストエンド版にはフィル・コリンズやレナード・ホワイトニング、デイヴィー・ジョーンズが子役として出演、デイヴィー・ジョーンズは後のブロードウェイ版にも出演を果たすなど、キャリアの初期をこの舞台で飾ったアーティストも数多い。1968年にはキャロル・リード監督の手でミュージカル映画化され、アカデミー賞では作品賞を含む6部門を受賞した。

その不朽の名作が『キャッツ』や『レ・ミゼラブル』、『オペラ座の怪人』などを世界に送り出してきた名プロデューサー、キャメロン・マッキントッシュによって新たによみがえった。この新プロダクション版の振付を手掛けるのは、バレエの古典作品を大胆な解釈で再構築してきた鬼才、マシュー・ボーン。「英国ミュージカル界の金字塔に新たな命を吹き込んだ」と高い評価を受けたこの作品の2024年夏にChichester Festival Theatreで上演されたの初演を収録したのが本CDである。

2024年ロンドン・キャストを飾るのは、フェイギン役にSimon Lipkin、ナンシー役にShanay Holmes、ビル・サイクス役にAaron Sidwell、そしてArtful Dodger役にBilly Jenkins、ブラウンロウ氏役にPhilip Franksといった英国ミュージカル界や演劇界で活躍する面々。

これまでも『メリー・ポピンズ』や『マイ・フェア・レディ』などの古典的名作を色鮮やかに蘇らせてきたキャメロン・マッキントッシュとマシュー・ボーンによる新たな『オリバー!』。2024年12月14日からロンドン、ウエストエンドのギールグッド・シアターで上演される名作に今新たな生命が吹き込まれる。