アメリカとオーストリアにルーツを持つ作曲家でありピアニストのダラル（Dalal）が、亡き母の思い出に捧げる、極めてパーソナルなソロピアノアルバムを作曲・録音しました。このプロジェクトは、ダラルが本作の制作に取り掛かる直前に母親が悲劇的に亡くなるという、計り知れない悲しみの中で着想を得たものです。彼女は、この暗い日々を感動的な言葉でこう表現しています。

「この2年間は、悲嘆、喪失、そしてまるで怪物が骨からゆっくりと皮を剥ぐような種類の悲しみに満ちていました。心の中で、永遠であるはずだった多くのものを失いました。私は戦いに疲れ果て、気高い次の一歩を見つけようともがく自分自身を恐れていました。」

その喪失は計り知れないものでしたが、ダラルの内面を深く変容させるきっかけともなりました。悲しみの渦中、彼女は音楽に向き合い、自らの感情をこのプロジェクトに注ぎ込み、内省的で心に響くピアノ曲集を創り上げました。各トラックは、喪失と悲嘆を乗り越える彼女の旅路を映し出す心のこもった作品であり、優しいメロディーと魂のこもったピアノ演奏が特徴です。その多くは、過去の重要な記憶——場所、出来事、深い個人的な意味を持つ印象——から着想を得ています。

ダラルにとって音楽は聖域（サンクチュアリ）となり、自身を省みる時間を与え、悲しみを美しいものへと昇華させる機会をもたらしました。彼女はこう語ります。「音楽は私の安らげる場所となり、自分の内なる荒廃と向き合い、それを美しいものへと形作る機会を与えてくれました。」

このプロジェクトは単なる曲集を超え、「希望の実践」とも言えるものです。圧倒的な暗闇の中にあっても、創造性や想像力、そして最終的には癒しのための空間がまだ存在しうることを、私たちに思い起こさせてくれます。この点について、ダラルは次のように締めくくっています。

「私にとって、このアルバムは何よりも『信念の実践』です。どういうわけか私はまだここにいること、そして、想像し、希望し、何かを創造するための空間が、私にはまだ少しは残されているかもしれない、という信念の。」

ダラルはこのアルバムを通して、私たちを彼女の心の旅路へと誘います。そして、深い悲しみに直面してもなお、人間の精神がいかに耐え忍び、創造という行為の中に強さを見出すことができるかを、身をもって示しているのです。

1.    Bergamot
2.    Silhouette
3.    Kindred
4.    Citybird
5.    Strawberry Waltz
6.    Puerto de Mogán