「わたしのフォーエヴァー・ヤング⑤」
数々の洋楽名盤をお届けするフォーエヴァー・ヤング・シリーズを、様々な形で応援してくれる「フォーエヴァー・ヤング・サポーター」の皆さん。
業界にゆかりのある方々から、人生に寄り添い、共に歩んできた一生モノの1枚への想いを綴っていただきました。
マドンナ『MUSIC』
母のことを思い出す時、必ずマドンナが浮かぶ。
母が好きなものは、マドンナ以外に知らなかった。それくらい、マドンナは母の一部だった。ライヴに行ってはお土産を買ってきた。あるとき持ち帰ってきたのは、胸の前にマドンナの顔がでかでかとプリントされたタンクトップ。さすがマドンナと思わず言いたくなるほど派手で、今も大事に持っているけれど、一度も着られていない。
そのタンクトップは今、形見になった。
このアルバムは、母が一番よく聴いていた一枚だった。
だから私にとって『MUSIC』は、音楽としての評価よりも先に、母の気配がする。当時5歳の私を送り迎えしてくれた車の中でかかっていたり、母が家事をしている時にも生活の一部のようにかかっていた。あの頃は曲の意味もよくわからないまま、ただ耳に馴染んでいた。
大人になってから、改めてこのアルバムを聴いた。クールなエレクトロと温かみのあるカントリーが違和感なく混ざり合う、あの自由なサウンド。マドンナがこんなにも「遊んでいた」ことに、今さら気づく。もしかしたら、母はそういうところが好きだったのかもしれない。枠にはまらないその姿に、何かを重ねていたのかもしれない。
きっと世界中に、それぞれのマドンナがいる。それぞれの『MUSIC』がある。
私は聴くたびに、母のことを考える作品である。
ちゃぼ
ラジオDJ・タレント
FM NORTH WAVE