ブラームスのロマンティシズムとその陰影に富んだアンサンブルが見事な、名手2人によるデュオ。40歳代半ばに達していたアシュケナージの熟達した指さばきと深い精神性を受けて、パールマンが表情、音色とも艶や甘みを抑えながら音楽の核心へアプローチしている姿勢は、実に清々しさと崇高さに満ちているものといえるでしょう。特に第2番は抒情味豊かにのびのびと歌いながら、両者の昂揚した気分がみなぎり、3つのソナタの中でも最大の聴き所となっています。

【曲目】
ブラームス:
ヴァイオリン・ソナタ第1番ト短調Op.78「雨の歌」
同第2番イ長調Op.100
同第3番ニ短調Op.108
スケルツォ ハ短調(F-A-Eソナタより)
ハンガリー舞曲第1, 2, 7, 9番(ヨアヒム編)

【演奏】
イツァーク・パールマン(ヴァイオリン),
ウラディーミル・アシュケナージ(ピアノ)

【録音】1983年