キリストの降誕と復活を祝うバッハの祝典的傑作をカップリング。当時の習慣、詩、演奏法などを研究したコープマンが、人間的な神への祈りを感じさせてくれます。闇から光明へと向かう音楽にふさわしい伸びやかな演奏。  

コープマンが40代の終わりにエラート・レーベルにセッション・レコーディングしたマタイ受難曲。 　コープマンといえば、カンタータ全集、オルガン曲全集など膨大な数のバッハ録音をおこなっていることでも有名ですが、この宗教大作の演奏は、音質条件に恵まれていることもあって、それらの中でも最高のクオリティを示すものに数えられています。 　当時のコープマンならではの強い集中力で取り組まれたこれらの演奏は、オリジナル楽器オーケストラによるやわらく透明度の高い響きから生み出される繊細な音色に特徴があり、高度な合唱のコントロールや表情豊かな通奏低音も含めて非常に見事なバッハ・サウンドを聴かせてくれるのが印象的。 　そのピリオド・サウンドを縦横に活かし、しなやかで曲線的、陰影に富む音楽を築き上げるコープマンの手腕には実に素晴らしいものがあります。

フラウト・トラヴェルソの名手、コンラート・ヒュンテラーによる、超絶技巧フルート協奏曲集。1986年録音。

ヘンデルの合奏協奏曲の頂点とされる作品集、1985年録音。

即興演奏の達人にして鍵盤楽器の創始者フレスコバルディ。名手コープマンの発刺たる演奏が冴える!

大バッハの次男でバロック時代と古典派時代の端境期に生き、ハイドンやベートーヴェンに多大な影響を与えたカール・フィリップ・エマヌエル・バッハ。疾風怒濤とギャラントさをコープマンが描き出した演奏。 （演奏）トン・コープマン（指揮） 　　　　アムステルダム・バロック管弦楽団、 （録音）1985年11月

トン・コープマンのディスコグラフィのデジタル化シリーズ。ブクステフーデによる最大規模の作品

コープマンのバッハ：オルガン作品全集のデジタル・シリーズ化発売 各地の名オルガンを弾き分けた録音の全部の第1回、1995年録音。 フーガ ト短調BWV578「小フーガ」、前奏曲とフーガ イ短調BWV543他。

シュッツとバッハの間にあってカンタータ生成の大切な橋渡し役をしたのがブクステフーデ。ドイツ・バロックの伝統に則る見事な作品の数々を書き残しました。コープマンと選りすぐりのソリストによって、その魅力が明かされた演奏です。

古楽系演奏の中でも、独特なリズムから始まる序曲。様々な場所に入る即興的装飾音によって楽しさ倍増、ゆっくりとした楽章は優雅さがたっぷりの、コープマンらしいバロック要素が仕組まれた演奏。 （演奏）アムステルダム・バロック管弦楽団、トン・コープマン（指揮） （録音）1992年6, 7月

コープマンの、デリケートにうつろう色彩の変化を巧みに再現した、幸福この上ない演奏 バッハ4大宗教曲の中でも、コープマンの柔和で朗らかなキャラクターに特に似合うのがこのクリスマス・オラトリオ。オランダ系古楽演奏の魅力のひとつに、しなやかで繊細な曲線的フォルムというものがありますが、コープマンのバッハの「マタイ受難曲」「ヨハネ受難曲」「ロ短調ミサ曲」（←3タイトルセットBOX：2564.673616）でもそうした特徴はプラスの方向に働いており、ともすると重くいかめしくなりがちな作品から、微妙に息づく美しいテクスチュアを紡ぎだすことに成功しているのがポイントです。録音も優秀で、オリジナル楽器オーケストラと合唱がつくる透明度高い音色の中、デリケートにうつろう色彩の変化を巧みに再現した、幸福この上ない演奏。このコープマンの「クリスマス・オラトリオ」は、CDでは久々の再発売となります。