出世作『U GOTTA FEEL ME』がプラチナム・セールスとなり、T.I.とのバトルでも注目を集めるなど、サウス系若手ラッパーの中でも飛びぬけた存在であるリル・フリップはテキサスのヒューストン出身。ヒューストンのシーンを影で支えて来たDJスクリュー（２０００年に他界）の後期ミックス・テープに参加し、スクリュー本人から才能と将来性を認められ、“フリースタイル・キング”の称号を与えられた。最初のリリースは、98年にフリップ自身もメンバーとして活躍していたハスラーズ・スタッキン・エンズ（H.＄.E）というグループのアルバムで、この作品はフリップ本人が共同設立したレーベル、サッカ・フリー・レコーズからの最初の作品であった。2000年にはソロ・デビュー・アルバム「THE LEPRECHUAN」を発表。この成功により2002年に大手コロンビア／ソニーと契約を果たし、メジャー第1弾（実質は2nd）アルバム『UNDERGROUND　LEGEND』をリリース。そして2003年にはレーベル・コンピ的な「7－1－3 AND THE UNDAGROUND LEGEND REMIXED」を、2004年には3rdアルバム『U GOTTA FEEL ME』をリリース。アルバムからの2ndシングル「Sunshine」はメロウなトラックとキャッチーなサビが受けてフリップ自身最大のヒットを記録した。そして、2005年末には4thアルバム『I NEED MINE』のリリースを発表するが、契約問題がこじれレーベルを離脱する事態に発展（先行発売を予定していた日本だけ初回生産分のみが流通）。その後、有力なサウス系アーティストを続々送り出しているアサイラム／ワーナーと正式に契約を結んだ彼は、2007年春、自信作『I NEED MINE』を正式にリリースする。