【メンバー】
Blaine Harrison（キーボード／ヴォーカル）
Henry Harrison（ギター／ヴォーカル）
Will Rees（ギター／ヴォーカル）
Kai Fish（ベース／ヴォーカル）
Kapil Trivedi（ドラム／ヴォーカル）

トゥイッケナム（訳注：イングランド南東部の旧自治都市）を流れるテムズ川中流に位置するボヘミアンの砦、イール・パイ・アイランドを拠点とするミステリー・ジェッツ。ミステリー・ジェッツは、Will Rees（ギター／ヴォーカル）、Kai Fish（ベース／ヴォーカル）、Kapil Trivedi（ドラム／ヴォーカル）、Blaine Harrison（キーボード／ヴォーカル）、そして、彼の父親であるHenry Harrison（ギター／ヴォーカル）の５人組。WillとBlaineは、４歳のときに保育園で一緒になってからの幼馴染。Kaiの両親は、70年代にBlaineの両親と共にコミューンで共同生活していた。Willが寄宿学校に通うようになり、Blaineが母親と共にフランスに移住してからは、二人はポストカードで連絡を取り合っていた。

彼らは、元々、自分達をザ・ミザリー・ジェッツ（The Misery Jets）と名乗っていた。『イヴニング・スタンダード』紙の見出しから取られていた（イール・パイ・アイランドはヒースロー空港に発着する航空機の飛行経路であり、以前は50秒に一機が飛んでいた）このバンド名がミステリー・ジェッツ（Mystery Jets）に変わったのは、Blaineがドラムにバンド名を間違ってペイントしてしまってからだ。Kaiがバンドに加入したのは彼が12歳のときで、自らバンドにはベーシストが必要だと提案してきたことでメンバーとなった（Kaiはチェロを演奏していた）。バンドは、Henryがイール・パイ・アイランドのヒッピー・コミューンの焼け跡地を購入して建てた艇庫で練習していた。このバンドに最後に加入したメンバーは、Kapil。彼のバックグラウンドはイール・パイ・アイランドのボヘミアではなく、そこまで芸術的な環境とはいえないノース・ロンドンのウェンブリーだ。ドラムの名手で、ブレイクダンスのチャンピオン、そして、ミステリー・ジェッツの中で最も威勢のいいパフォーマーでもある彼は、このバンドの存在をドラムの先生から教わった。

彼らがバンドとして成長するのに最も影響を与えたのは、Henryのレコード・コレクションだ。KaiとBlaineとWillは、そのコレクションを夢中になって聴き、音楽雑誌『Mojo』をむさぼるように読み、そこで特集されているプログレッシヴ・ロックやサイケデリック・ロックの失われた英雄達の話を読んでは、彼らに心を奪われていった。おそらく、ミステリー・ジェッツ最大のヒーローは、シド・バレットだろう。