横浜公演２日目のこの日は、今回のツアー最終日であるとともに、セットリストが大きく変わったことでも特別なショウになった。

“ナナナ”の次にセカンド『スウィート・リベンジ』からの“ギヴ・エム・ヘル、キッド”が続いて、
そして３曲目に早くも“ウェルカム・トゥ・ザ・ブラック・パレード”が始まって大歓声！　
２日連続で来ていた人もいきなりのこの展開には驚いたはず。続く“プラネタリー（ゴー！）”はマイキーのベースの見せ場で、
この日マイキーは「Art is the weapon（アートは武器だ）」と大きく書かれたＴシャツ（袖はカット！）を着ていて、
キラキラ光るベースを弾くシルエットがいつにも増してまぶしく輝いていた。

白と青のジャケットに、真っ赤な髪がトリコロールみたいによく映えていたジェラルドは、“シング”を始める前に
「今日はタカシ・ミイケが来てくれてるんだ」と嬉しそうに言っていたけれど、今後のビデオ撮影に三池崇史監督とのコラボレーションが期待できそう？！

それから「今回が7度目の来日になるんだ、ありがとう」という言葉にキーボードの音色が重なって、“フェイマス・ラスト・ワーズ”へと続いていって、
歌い出しからオーディエンスにマイクを向けて歌わせる姿と、
それに精一杯応えるオーディエンスの大きな歌声に泣けてきた。

そして“ハウス・オブ・ウルヴズ”の後に来たのがこれまた今回初めての“セメタリー・ドライヴ”で、
曲が終わっても興奮でざわつく会場に響き渡ったのは、ついに来ました、新作の“パーティ・ポイズン”！　
あの日本語ＭＣはなかったけれど、マイケミの日本への愛が感じられるこの曲が遂に日本で披露されて、オーディエンスのジャンプにもさらに気合いが入っていた。

この興奮状態は、ポップな“サマータイム”を挟んで訪れた“アイム・ノット・オーケイ”の嵐でさらに大爆発して、
その熱気のためかここでジェラルドがジャケットを脱いで、赤い照明の中に白い腕が浮かび上がって、
そういえば体調は大丈夫なのかとここにきてやっと思い出させるくらいの迫力でこの先も突っ走り続けた。

この日は“ヴァンパイア・マネー”で本編終了、もはやイントロの掛け合いはオーディエンスの担当になっていて、
レイとフランクのギターがかっこよすぎるパンキッシュなこの曲は今後もライヴの定番になりそうだ。

そしてアンコールのとき、ファンのメッセージが集められたフラッグがステージに登場!!

大阪、名古屋、横浜と、各会場でファンが寄せ書きをした愛情いっぱいのフラッグが、バンドを後ろから見守るようにして飾られている光景に胸がいっぱいになった。

日本のファンのマイケミへの愛と、それを大事に受け止めるメンバーの気持ちがひとつになって、ラストの“ヘレナ”は完全燃焼の盛り上がりで幕を閉じた。

終わったばかりだけど、次のライヴが楽しみでしかたない、会場を後にするファンにはそんな思いの笑顔があふれていた。



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