Nuevo Quintet Realヌエボ・キンテート・レアル
Profile
「王様たちの五重奏団」の名に恥じない素晴らしいアンサンブルで人気を博してきたキンテート・レアルは、1999年で結成40周年を迎えた(原盤ライナーでは1960年結成となっている)。中核を成すのは、ジャズやブラジル音楽などの要素も取り入れた独特のリズム感覚溢れる現代タンゴをクリエイトしてきたピアノのオラシオ・サルガン(1916年生まれ)と、良き相棒で幅広く音楽に精通したエレキ・ギターのウバルド・デ・リオ(1929年生まれ)。そもそもこの五重奏団は、1957年に活動を開始した彼ら二人のデュオを母体に誕生したものだった。70年代に入り、メンバーの死去などで、キンテート・レアルの名はいったん伝説と化したのだったが、1987年にはヴァイオリンにアントニオ・アグリ、バンドネオンにレオポルド・フェデリコを迎え、グラン・キンテート・レアルの名のもとに復活を果たし、日本制作による傑作アルバムをフィリップスに残した(ベースは60年代後期にも参加していたオマール・ムルタ)。そして90年代半ば、今度はヌエボ・キンテート・レアルの名称で演奏活動を再開。バンドネオンはネストル・マルコーニが担当、1996年にはアルバムもリリース。ベースがオスカル・ジウンタに交代し、順調な活動を続けていた彼らに不幸が起こったのは1998年10月のこと。ピアソラやフアン・ホセ・モサリーニらとの活動などでも知られた名手アグリが惜しくも世を去ったのである。彼に代わって、かつて名門オスバルド・プグリエーセ楽団などで活躍してきたエルメス・ペレシーニを新たに迎えてワーナーミュージック・アルゼンチンでの初録音となる『ヌエボ・キンテート・レアル』(WPCS-10288)を1999年11月にリリース、続く第2弾アルバムとなるのが本国アルゼンチンで2000年11月にリリースされた本作『タンゴス』となる。