ここに紹介するトリオ"オルティガ"（刺のあるいらくさ科の植物の意味）は南米チリ出身。
ベースにあるのは大自然に抱かれ育ってきたチリを中心とした南米の伝統音楽。しかしながら、彼らの音楽性は地元以上にドイツを中心としたヨーロッパ諸国で大きな反響を呼んでいる。それは彼らの音楽が南米の伝統音楽を感じさせながらも、ヨーロッパの洗練、そして、それさえも越えて、世界中の人の心に訴えかける、普遍的で純粋な精神を持っているからであろう。チリの音楽学校で知り合った彼らは、南米の多岐に渡る楽器、リズム、文化を幅広く、しかも深く習得／理解した。それをベースに活動を始めが彼らの評判は瞬く間に大きく広がり、数々のコンサート、TV出演、ツアーをチリ全土で展開した。そして、北米でのツアーでは彼らの音楽性が世界共通のものであることを証明した。
そして彼らの更なる大きな飛躍はドイツで起こった。フェスティヴァルに招待されて演奏した
彼らをヨーロッパのリスナーが放っては置かなかったのだ。既に教会での演奏や、合唱団、聖歌隊などとの共演を果たしており、その南米をベースとするナチュラルな精神性はヨーロッパで歓迎されたのだ。

エニグマ、ディープ・フォレストが西欧人であり、ヨーロッパ文化をベースに持ちながら、エスニック・ワールド・ミュージックの要素を取り入れたのとは逆に、南米の音楽と精神性をベースにして、それを大幅に壊すこと無く、ヨーロッパ的文化、音楽のテイストを融合することに成功した"オルティガ"の音楽は、ヒーリング、ワールド・ミュージックなどの概念を越えて、本当に垣根の無い「２１世紀の音楽」のスタートなのかもしれない。