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2026.08.12

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SKRYUメジャー1st『ザ・ライト』完成記念インタビュー後編! 全11曲に込めたアイデアと仕掛け。聴きどころを本人が徹底解説!

01. ハヤスギテミエナイ (feat. サーヤ)

この曲は、最初からサーヤさんとやる前提で作りました。前回「ハイブランド (feat. サーヤ) [Remix]」に参加してもらったのは、ASOBOiSMさんの「自分の機嫌は自分でとる (Remix) [feat. あっこゴリラ & CLR]」で、スキルフルなラップに衝撃を受けたから。今回は、礼賛、ラランド、CLRといくつもの顔を持って走る彼女に速すぎて見えないというテーマがピッタリだと思ったんです。実際、多忙な時期に曲を送ったら、その日のうちに「リリック書けたかも」と返ってきた。歌詞には速いモノをいろいろ入れてるけど、一番速すぎて見えなかったのはサーヤさん(笑)。しかも、僕の《ちょ、待てよ》に対して《グランメゾン》、礼賛「超BUSY」の一節の引用に対しては《クランクアップ》と返してきて、ラッパーとしての礼儀とセンスがすごい。最後の早口言葉は、数え歌と既存の早口言葉を混ぜ、サーヤさんのアイデアも足して完成。ぜひSNSで挑戦してほしいです。

 

02. キラキラ・ドッパミン・ジュッジュワー

タイトルは意味からじゃなくて音ハメで生まれた言葉。宇宙語でメロディーを乗せていたら、「キラキラ」という響きだけが妙に気持ちよく残ったんです。そこから脳みそから何かが出て光り、宇宙とつながる感じを膨らませて、「キラキラ・ドッパミン・ジュッジュワー」という言葉になりました。《夜空を見上げて星を探してたらオシャレにキマっちゃう宇宙語を思いついたんだ》と書けた瞬間に、突拍子もない言葉にも意味が生まれた。スターを歌う曲はこれまでも作ってきたけど、さらに高度を上げるなら宇宙しかないと思ったんです。実は裏テーマもあって、職場や人間関係になじめず「自分はエイリアンかも」と感じる人たちを、音楽で連れ出して踊らせたい。そんな人間社会のエイリアンに向けた応援歌にもなっています。

 

03. スキット

このスキットは「ウォーター・メロン」とセットで、ある意味イントロみたいなものです。僕が下手くそな口笛で吹いているのは「ウォーター・メロン」のサビのメロディー。「ウォーター・メロン」を作ってくれたNoconocoさんから「車で聴いてほしい曲」という提案があって、実際、Noconocoさんの車でドアの開閉音や鍵の音を録ってもらいました。3曲目に早くもスキットを置いたのは、最初の2曲が事故っているくらい速いから(笑)。一度パーキングエリアに入って、「ちょっとゆっくり行こうぜ」とブレーキをかける役割ですね。

 

04. ウォーター・メロン

Noconocoさんから届いたビートにメロディーを乗せたら、「山下達郎さんみたいじゃん」と言われて。「夏っぽいからウォーター・メロンで書いて」とお題をもらいました。夏歌は、夏にまつわる言葉を羅列していく得点加算式だと思っていて。クワガタ、セミ、スイカなどを散りばめながら、起承転結はあまり考えず短いパンチラインを積み重ねていきました。《セミもいないセミファイナル》や《熱中症、ゆっくり言うとねえ、チューしよう》もそこから。DJ Jazzy Jeff & The Fresh Princeの「Summertime」を口で歌って引用したのもバカっぽさが欲しかったから(笑)。決め手は《リコピンレッドの唇》と《緑のボーダービキニ》で、この2つが出た瞬間、完全にスイカの曲になった。アルバムでは「マッパ・ノ・オウサマ」と並んで好きです。

 

05. カップリング

これぞDJ PMX”というウエストコースト色の強いビートで、少し気取ったSKRYUが女の子のことを歌った曲です。最初から、このトラックなら絶対にラブソングだと思っていました。ただ、僕は100%ストレートに愛を歌うより、何か遊びやひねりを入れたい。二人が重なり合うセクシーな描写をどう表すか考えて行き着いた言葉が「カップリング」でした。そこからA面、B面、ハモる、ワンフレーズ、シングルカットと、音楽用語を散りばめていったんです。メロディーはDJ PMXさんからディレクションをいただき、これまでの僕にはあまりなかった歌い方になりました。自分の幅が広がったし、僕のアルバムにはあまり入ってこなかったタイプの曲になったと思います。DJ PMXさんのトラックに「カップリング」と付けるのは、かなり勇気が要りましたけど(笑)、僕流のラブソングに仕上がりました。

 

06. マッパ・ノ・オウサマ

このアルバムで唯一、リリックから先に作り始めた曲。ニューウェッサイのビートを想像しながら、《マッパ/踊るハッパ隊/キメるYATTA》というフックを思いついて一気に書いてみたんです。ただ、徹夜明けに仮のビートで録ってみたら、むちゃくちゃダサくて(笑)。そこからNoconocoさんがテンポやビートを丸ごと作り直して、僕がゴミ箱に捨てそうになった曲を金ぴかにしてくれました。フックから着想して裸芸人の名前もいろいろ歌詞に入れています。《居どころがないイロモノラッパー》と歌っているけど、僕はみんなとは違う島に行き着くため、独自の泳ぎ方で必死に泳いできた。書きながら浮かんだのは、幕張で上裸のまま宙吊りになった場面。みんなが大笑いする姿を見て、僕はうれしくて涙が出そうになったんです。「俺はこれでいい」と確信できたし、そんなスタイルを貫く覚悟を歌った曲です。

 

07. ウルフ・マン

前から書きたいと思っていた狼男の曲です。満月をミラーボールだと思い込んで街へ繰り出すダンスマンって、めっちゃ僕らしいなと思っていて。制作中の僕は、髭が伸びて獣みたいな姿になっていたし、連日、夜を徹して歌詞を書いていたので自分と重なる部分もあったんです。最初は格好いい狼男として書いていたけど、なかなか作詞が進まなくて。「狼男も元は人間だし、家族もいるよな」と考えたら一気に切なくなってきて、2ヴァース目が書けました。みんなが布団の中で眠る深夜に、僕は目を真っ赤にして、醒めない夢を見ている。そんな制作の苦悩を軽やかなアシッドジャズ調のトラックで歌いました。トラックはES-PLANTさんとNoconocoさんの師弟コンビによるもの。ベースはES-PLANTさんで、アレンジはNoconocoさん。「ウォーター・メロン」は二人の役割が逆になっています。

 

08. ゼクシィ・ガール

Summer Breeze」以来となるtofubeatsさんとの曲で、今回は90年代感のあるニュージャックスウィング調のビートをいただきました。最初に宇宙語で作ったメロディーを聴き直したら、Snowの「Sexy Girl」にそっくりで(笑)。さすがにそのまま使えないし、結婚ソングをまだ書いたことがなかったので、そこから着想を得て「ゼクシィ・ガール」にしたんです。歌詞でキーになったフレーズは《幸せに乾杯》という、ダサすぎて臭すぎる言葉。プロポーズから結婚、相手が自分の墓を訪れる場面まで、2人の人生を1つの言葉でつなぐアイデアは自分でも「オォー」と思ったくらい。最後に墓をスパンコールでデコっているので、結果的に「スパンコールじいちゃん -輝絶-」のスピンオフのような曲になりました。

 

09. イッツ・ア・ニューデイ (feat. MONKEY MAJIK)

初めてMONKEY MAJIKさんを知ったのは、小学生の頃。同居していた叔父が「空はまるで」を目覚ましにしていて、僕も毎朝その曲で起きてたんです。その後、「Horipro Vocal Scout Caravan」で僕がラップ講師、MONKEY MAJIKさんがクリエイティブサポーターを務めたことで出会い、今回の共演につながりました。今の僕にとって「空はまるで」は、夢が現実になる瞬間を知らせるアラーム。だから曲もアラーム音から始まるんです。フックでは同曲の歌詞を組み替えて引用してるし、僕の《描き出した明日へと走り出す》も同曲の一節。でも、この曲は僕の夢が叶っただけの話にしたくなくて。無我夢中で自分を探し、何度へこんだとしても、上を向けば空があって、夢はずっと待っていてくれるんだっていう。そんな、みんなにも当てはまる歌にしたかったんです。

 

10. グラスヲカカゲテ

ジャージークラブの要素にファンキーなギターを重ねたブチ上がれる曲です。制作で籠もっていると人に会えないので、「早くみんなと飲みたい」という気持ちをモチベーションに書きました。親父と酌み交わした酒、仲間とのパーティー、失恋のやけ酒、先輩にご馳走になった一杯……そういう記憶を並べていったら、ただのパーティーソングではなく、人生の思い出を酒と一緒にたどる曲になったんです。笑いもあるけど、「あと何回この人たちと乾杯できるんだろう」という切なさもあって、エモと笑いのバランスが取れた曲になりました。《グラスヲカカゲテ》のメロディーは、音階がドレミファソラシドなんですけど、音が上がっていく感じと、グラスを掲げる動きが重なると思って入れました。

 

11. イレブン・バック

愛媛FCのために書いた曲だけど、アルバムに入れることも考えて、自分自身のことも重ねました。最後から2番目に作った曲で、《ガラ空きのゴール寸前で頭抱える/最後のパンチラインが「なんか弱ぇー」》は、産みの苦しみに追われている当時の僕そのもの(笑)。タイトルは、大富豪で11を出すと強弱が逆転するイレブン・バックからで、《Rats & Star》や《StressedだってDessertsになる》といった、逆さに読むと意味までひっくり返る言葉遊びも歌詞に入れました。《煌びやかに見えたスターダムは泥まみれで這いずる難関》《バーンアウト寸前》とも歌っているけど、弱音を吐いてるんじゃないんです。実際メジャーで活動してみると想像以上に大変だとわかったけど、難しいならもっとやるしかないと自分を奮い立たせて、ここから形勢をひっくり返していくんだという決意の歌なんです。

 

インタビュー・構成/猪又 孝

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