舘野泉
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Sunflower Sea - Pino Works by Déodat de Séverac: / ひまわりの海~セヴラック:ピアノ作品集
2001年デジタル録音。舘野泉の演奏生活40周年記念盤としてリリースされたもので、舘野みずからが吟味した楽器とホールで自費レコーディングされ、その演奏内容の素晴らしさにワーナー・クラシックスが発売を申し出たといういわく付きの音源。2002年に病で倒れ、再起後は「左手だけのピアニスト」として活動しているこのピアニストの録音の中でも、ひときわ高い評価を受けている傑作です。 フランスの作曲家、デオダ・ド・セヴラック(1872-1921)は、故郷である南フランスで素晴らしい作品を生み出しました。スコラ・カントルムで作曲をダンディやマニャールに、ピアノをアルベニスらに師事し、パリで成功を収めた後も農村に帰って自然と人間の営みを抒情的な小品に託しました。大自然にあふれた郷土の香りと、そこに生きる人々の苦しみと喜びを詩的に描き、印象派の先駆をなすような明るい心象風景と「空気感」は、ドビュッシーが「とても素敵な大地の香りがする」と称賛しました。 とはいえ、作曲家として華やかな生涯を歩まなかったためもあるのか、その作品の録音は非常に少なく、この舘野盤の登場は、詩的な抒情美にみちたセヴラックの音楽が再評価されるきっかけとなったものです。 2枚組のこのディスクの中でも、初期の作品である『大地の歌』は素晴らしい仕上がりで、南仏の大地に繰り広げられる大自然の営みと、そこに生きる人々との様々な出来事が絵画的イメージを持って反響する様を見事にとらえた演奏です。また『ランドック地方にて』からの『春の墓地の一隅』でセヴラックが描いた生と死、そしてそれらを取り囲む清らかな自然の風景を舘野のピアノは雄弁に物語っています。 「初めてセヴラックの楽譜を手にしたのが1955年。田園の光と空気、そこに宿る神の気配にすっかり魅了されてしまった。以来45年余りの時が流れた。録音を提案しては、いつも断られて来たが、昨年夏にセヴラックの故郷を訪ね、そこの空気と光と人々に触れ、演奏生活40周年の節目として自費出版で録音を決行することにした。録音の準備を兼ねて人前で弾く機会を増やしたが、それは素晴らしい体験となっている。初恋の人に45年ぶりに再会してみたら、大事に大事にしてきたイメージよりも、本人はもっと素晴らしかった…とでも言えようか。その音楽を、私が世界で最も好きなピアノとホールで録音し、急転直下ワーナーからリリースされる。望外の喜びである。」 ―― 舘野泉(談)
2006.10.25 配信/685738718160
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2011.08.17 発売 ¥1,100(税込)/WPCS-22219
タンゴ・デュオ!
2011.08.17 発売 ¥1,100(税込)/WPCS-22220
FINNISH PIANO MUSIC / 北の調べ~フィンランド・ピアノ名曲集
2002.01.23 発売 ¥1,100(税込)/WPCS-21138