The Smithsザ・スミス

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フォーエヴァー・ヤングの特集ページに、業界の方から届いたザ・スミスについてのコメントをアップ!

2025.12.19

フォーエヴァー・ヤングの特集ページで、音楽に携わる皆さんの思い出のフォーエヴァー・ヤング作品をご紹介!題して「わたしのフォーエヴァー・ヤング」。今回は、UK ROCK愛好家のchibi-tomoさんからザ・スミスの『ザ・スミス』についてコメントを頂きました!


ザ・スミス『ザ・スミス』

音楽を聴くシチュエーションによって、その時のアルバムが人生においてかけがえのない1枚になると思う人は何人いるのだろう。格好をつけているわけでもなく単純に思うのだ。

私にとってザ・スミスの『ザ・スミス』はとても印象深く思い入れがあるアルバムだ。しかし当時はなかなか大好きなバンドとは周りに言いづらく(言ったところで洋楽ファンは限りなく少数派)密かに、こっそりとヘッドホンをつけてヘビロテしたバンドであった。

イギリス・のマンチェスターにて1982年に結成されたバンド。当時は既に社会風刺を謳っていたバンドは多数いた。活動期間はたった5年と短い。しかし、後世のバンド達に絶大な影響(過大評価?)を与えたと言っても過言ではないだろう。

労働者階級社会だったイギリス。仕事と家との単純な往復。楽しみといえば休日にパブでビールを飲み、バンドの演奏に身を委ねる。当時の現地の若者に突き刺さる、行きどころのない発散の要素だったのかもしれない。日本の片田舎にいた私も多感な時期を過ごしていた。青春を謳歌しているように見えていたに違いない。しかし実は親友達との永遠の別れが立て続けに訪れ、やり場のない怒りをぶつける事が出来ず静かに音楽を聴くことに没頭するしかなかったのである。1人ぼっちになってしまったような切なさ、また社会から孤立したような絶望感。

そんな時はこのアルバムをよく聴いたのである。
文学少年、少女達の心を掴むかのようなモリッシーの歌詞、ジョニーの物悲しいギターのリフ。
モリッシーの歌詞が後に色々な場面で物議を醸し出していても私には気にならなかった。だってこれは彼自身の表現の一部なのだ。嫌なら聴かなきゃいいのだ。そう思っている(笑)。

解散(1987)を知った時(某音楽雑誌)は日本でもバブルが弾け、(1990突入)私も転落人生まっさかさま(笑)谷あり、谷ありようやく今でもまだ少し丘を登った状態なのだ。頂上には辿りつかない。いゃ、頂上はないのかもしれない。

インターネットが普及し、簡単に情報を入手出来る時代。自由に音楽を聴ける。
「良い時代になったなぁ」としみじみ思うが、モリッシーが皮肉った社会的危機感、また若者や弱者が持つ悩みなどは現代においても解決などされておらず、もしかするともっと酷い事が起きてしまっているのではなかろうか。

後に大ヒットとなるアルバムを発表しているが、まずはこの『ザ・スミス』をじっくりと聴いて欲しいと思う。

しかし再結成は決して望まないバンドである事を付け加えておきたい。

 
chibi-tomo
UK ROCK愛好家


 



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