Warウォー
Profile
1970年元アニマルズのエリック・バードンを中心に結成されたウォーは、ソウル・ロックのヒット曲「Spill The Wine」でその歴史の幕を開ける。アルバム1枚を制作した後バードンが脱退し、ソウルやジャズ、ラテンのリズムをミックスする自由を得て、結果的にはより成功することになった。他民族性をもったサウンドによって、彼らの人気はカリフォルニアからロスをも横断。ホーン・サウンドにのせたシカゴ賛歌「Low-Rider」や「The Cisco Kid」は、ポピュラー・ミュージックとして一般聴衆にクロスオーヴァーし大ヒットとなった。「Why Can't We Be Friends」は、現代におけるLAの人種問題について示唆した曲となっている。70年代後半、メッセージ性の強いシリアスな問題を取り上げるようになってしまうまで、彼らは人種の壁を音楽によって取りはらっていった。その緩やかなグルーヴ感は、後のヒップホップ界において注目を浴び、90年代中頃の再結成を促した。このベストCDはエリック・バードンとウォーから1994年のアルバム『Peace Sign』まで25年にわたるヒット曲、重要曲すべてを盛り込んだ決定的アンソロジーである。 WARはわが国においてCDの時代になってまともにマーケティングがされたことがなく、その結果一般的認知度は低いままであった。ようやくライノがWARのカタログを取得したことで2008年1月から世界で彼らの多くのオリジナル、ベストが発売になる。彼らのソウル、ジャズ、ファンクは現在のクラブ・シーンにも適応できることから単なる古い音楽ではなく、現在でも若い世代にも十分対応できる、現代的視点から鑑賞に値する音楽として再評価されるべきである。 尚、ソロでも活躍したハーモニカ奏者、リー・オスカーはWAR結成から79年まで在籍した。現在のハーモニカ奏者は日本人のTETSUYA NAKAMURA。