夭折の天才ピアニスト、ユーリ・エゴロフ（1954-1988）による、旧EMIへの録音を集めたボックスセット。 エゴロフはボリス・ゴドゥノフの歌でもおなじみの旧ソ連の都市カザンに生まれ。カザン音楽院とモスクワ音楽院でピアノを学んだ彼は、各種コンクール入賞の後、政府からの圧力に耐え切れず、1976年、演奏旅行中にオランダに亡命、23歳でアメリカで活躍を開始、高名な批評家ハロルド・ショーンバーグからも高い評価を獲得、25歳の時には彼の2枚のＬＰがビルボードのクラシック・ベストセラーにチャート・インするほどの人気を博しました。 エゴロフは80年代に入ると活動の拠点をオランダに戻し、EMIやCANAL GRANDEを中心に録音をおこない、美しく繊細なタッチによる見事な演奏を聴かせてくれましたが、HIVのため33歳の若さで亡くなってしまいます。 今回のセットは、彼の旧EMIへのセッション録音と、1978年におこなわれたカーネギー・ホールでの伝説的な公演のライヴ録音をまとめたもので、ライヴ録音は新たにリマスターされております。