1970年代、世界で最も人気のあったバンドであり、常にマスメディアとの距離を置き、TVにはほとんど出演しなかったにもかかわらず、アルバムセールスや観客動員数・ギャランティで史上空前の記録を作り続けたレッド・ツェッペリン。解散して25年以上経つ現在でも世界中でアルバムが売れ続け、巨大な影響力を持ち続けている。アメリカだけでも通算アルバムセールスは1億枚を超えており、これはエルヴィス・プレスリーやビートルズと並ぶセールスであり、マイケル・ジャクソンやローリング・ストーンズの倍以上のセールスである。その人気は日本でも同様で、1971年の初来日公演の衝撃と素晴らしさは日本の音楽史上に残る伝説となった。

レッド・ツェッペリン登場以前は、シングル・レコードが主流で、楽曲がラジオやテレビでOAされヒットするのが普通であった。しかし彼らが本国イギリスで発売したシングルは解散前年である1979年に発表した「ホット・ドッグ」一枚のみである。デビュー当時、アルバムはまだまだ高価なため、アルバムだけで勝負するのは考えられない時代であった。テレビ出演回数はほんのわずかで、小さなクラブや大学のステージでの歌と演奏の凄まじさが口コミで伝わって巨大な旋風を呼んでいったのである。今でも海賊盤やブートレッグ・ビデオが世界一売れているバンドでもある。