イタリア・バロック期の作曲家《アルビノーニ》生誕350年、没270年記念 クラウディオ・シモーネが演奏した協奏曲集、他をセット化

クラシック音楽界とりわけ古楽界を牽引してきた、イタリアも名指揮者、クラウディオ・シモーネ。落ち着いたテンポ、しっとりとした潤いのある弦の響き、やわらかく豊潤なトゥッティ、そして、深い陰影と憂愁の響きを持つソロヴァイオリン…。濃厚でロマン的で、ピリオド的解釈で全くないといえるかもかもしれません。しかしシモーネの演奏には、今のピリオド楽器での演奏や、現代的演奏団体には求められないものがここにはあります。惜しくも2018年9月に亡くなられましたが、エラート・レーベルに数多くの録音を残しましたが、ヴィヴィルディ作品の再発見に貢献した録音は、高い評価を受け世界中のクラシック音楽ファンを今も魅了し続けています。あらためてこれらの演奏を聴くと、その後の古楽器グループに通ずるような奔放さで全体を貫いているのがお分かりいただけるでしょう。また、ピエロ・トーゾ、ピエール・ピエルロ、ジャン＝ピエール・ランパルといったフランスの名演奏者による共演も、これらの演奏に寄与しているのです。

ジャゾット編の「アダージョ」で知られてはいるが、メロディストとしてのアルビノーニの天才はゆるぎないところ。作品９の２のオーボエ協奏曲のアダージョを初め、感動的なメロディーに満ちた彼のオーボエ協奏曲作品の全てを収録したピエルロとシモーネ指揮によるアルバム（2つのオーボエのための協奏曲では、ジャック・シャンボンが共演）。1967年録音。

創立者シモーネが率いるイタリア・バロック音楽のスペシャリスト・アンサンブルによるクリスマスに因む名曲集。1975年録音。

稚拙でみだらなスルタン・ムスタファの、お茶目な虜・イゼベッラ役は、ユニークなメゾ・ヴォイスと注目される演技力を発揮したホーンのはまり役。さらにシモーネの生き生きとした指揮ぶりが熱狂的な歌劇を見事に再現している。共演者も輝かしさにあふれたキャスリーン・バトル（ソプラノ）、サミュエル・レイミー（バス）。1980年録音。

ヴィヴァルディ作品のスペシャリスト、シモーネとオーケストラによる演奏。「グリゼルダ」「ファルナーチェ」の名作を初め、「試練の中の真実」「ポントの女王アルシルダ」などのレア作品の序曲も収録、1978年録音。

シモーネによるアルビノーニの作品集。1970年代にアルビノーニ作品の再発見にはシモーネが大きな貢献を果たした。作品５の合奏協協奏曲全12曲とドレスデン手稿によるシンフォニーを収録。1972-1973年録音。

「ピンピノーネ」は、同じアルビノーニのオペラ「アスタルト」も幕間に上演されたもので、1980年代にシモーネが復活させた。後年のペルゴレージ「奥様女中」と似た主人公のストーリーで、アルビノーニのウィットに富んだ音楽づくりがされ、幸運にも彼の自筆が残された数少ないアルビノーニの舞台作品。1980年録音。

シモーネによるアルビノーニ（6月8日が誕生日）の作品集。作品７は合奏協奏曲、オーボエ協奏曲、２つのオーボエのための協奏曲による全12曲。ピエルロとピエトロ・ボルゴノーヴォのオーボエ、ヴァイオリン・リーダーがトーゾという編成、1974年録音

作品2は協奏曲作品と弦楽とコンティヌオによるソナタ作品でその全曲を収録、1978年録音。

アンダーソンを主役として上演されたヴィンツェンツァでの非常に稀な機会に収録されたライヴ、1983年録音  

アルビノーニ（6月8日が誕生日）の作品集。作品10はソロ・ヴァイオリンを伴った５声の協奏曲集。イ・ソリスティ・ヴェネティのリード・ヴァイオリン、トーゾと、そのキャリアの初期にあたる名手カルミニョーラをソリストに、1979年収録。