現在16歳。韓国出身の若きヴィルトゥオーゾ、・キム・ドゥーミンのデビューアルバム。7歳でピアノを始めた彼は、4年前に優れたピアノ教師マイケル・ヴラドコフスキに出会い、彼の薦めでパリに留学、エコールノルマル音楽院に入学し研鑽を積んでいます。師であるヴラドコフスキは、まずキムにバッハを学ぶことを教え、彼自身が持つ優れた音楽性を更に向上させました。今回のデビューアルバムもヴラドコフスキが選曲、この若きピアニストに最もふさわしいのはメンデルスゾーンであるとし、さまざまな曲を選び出したのです。シューマンやショパン、リストではなくメンデルスゾーン。それもあまり知られていない作品から選ばれたいくつかの曲は、他に類を見ないレパートリーであるとともに、美しい旋律に溢れ、聴き手の心にも平穏をもたらすもの。もちろん巧みなテクニックも要求されながら、古典的な風情も湛えており、若きピアニストのキャリアのスタートを飾るにふさわしい作品が揃っています。