藤木大地

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映画『ハナレイ・ベイ』公開記念 藤木大地(主題歌)× 松永大司 監督対談 『ハナレイ・ベイ』と その音楽世界@ 代官山蔦屋 イベント・レポート

2018.11.11

10月19日(土)より全国公開中の映画『ハナレイ・ベイ』。
時代に刻まれる名作や話題作を発表しつづける作家 村上春樹氏による、単行本と文庫本あわせて累計70万部を超えるロングセラー『東京奇譚集』(新潮文庫刊)に収録されている短編作品の映画化です。
 
本作品のメガフォンを取ったのは、『トイレのピエタ』が批評家から絶賛され、日本映画界の新鋭として期待を集めている松永大司監督。
主演は今最も輝く女優の一人である吉田羊のほか、俳優としても頭角を現す佐野玲於(GENERATIONS from EXILE TRIBE)、自然体な演技で最注目の若手俳優である村上虹郎が演じています。
 
物語は様々な伏線が張り巡らされているだけでなく、観客の認識から解釈が変化するといった工夫があり、何度劇場に足を運んでも新たな発見と、出会いが楽しめます。
 
主題歌を歌うのは日本が世界に誇るカウンターテナー藤木大地。
エンドロールの最後まで、テーマ曲にしっかりとした意味と生命を与えました。
 
公開二週目となった10月30日(火)。
代官山蔦屋にて、劇中のエンディングを飾る主題歌の藤木大地と、松永大司監督による、本作品の制作に込めた想いに触れられるイベントが開催され、その模様を取材しました。
 
 はじめに…
  カウンターテナーの藤木大地と、今回特別に参加したギター伴奏の福田進一が拍手で迎えられ、まずその歌声を披露したのはバースタインの『シンプル・ソング』と、作曲:バッハ・編曲:グノーの『アヴェ・マリア』。続いて松永大司監督を迎えて、本編の主題歌「愛の喜びは-Plaisir d’amour-」を歌唱、映画と音楽の親和性のトークショーが開催されました。
  
劇中に主題歌「愛の喜びは-Plaisir d’amour-」を使用した経緯について…
 
 藤木大地の歌唱後登場した松永大司監督。「(藤木大地さんの)歌声をもっと聞いていたい!」という感想が第一声として飛び出しました。その言葉に対して少し照れ笑いを浮かべる藤木大地さんと、映画『ハナレイ・ベイ』のエンディングである、主題歌「愛の喜びは-Plaisir d’amour-」。そして、劇中に流れている楽曲について話が繰り広げられました。
 
村上春樹氏による原作には、主題歌「愛の喜びは-Plaisir d’amour-」は登場しません。
しかし、映画作品として新たに「愛の喜びは-Plaisir d’amour-」を選んだ松永大司監督。
 
「(広く一般にもちろん)映画と音楽は相性がいい…音楽が作り上げる映画作品が多いですからね。」と前置きした上で、「僕は音楽に対する知識はありませんが、その音楽のバックボーンや歌詞から、物語に合うものを選びました。今回の「愛の喜びは-Plaisir d’amour-」の歌詞は、”愛の喜びは一瞬だけれど、苦しみはずっと続く。”というような、主人公であるサチ自身や彼女の心情を象徴している楽曲。さらに。その内容のもとにいくつもの録音を聴かせていただき、とある高らかな響きに耳が止まります。リストに女性歌手の名前が並ぶなか、“藤木大地”とあったので 男性?どういうこと?! と興味が湧いたのがきっかけでしたね。」と語りました。
 
世代、年齢が近いこと、そして「大地と大司…お互い苦労人というか、大器晩成型の人間みたいで。僕自身、映画の新人賞を獲得するのが遅く、勝手に親近感を湧いちゃっているんですよね(笑)。こういう素晴らしい楽曲を日本人が歌って、日本人として聞けることが幸せです。」と、今回のコラボレーションへの喜びに、微笑みを浮かべる松永大司監督。
 
それに応えるように笑顔で録音時の裏話を、「今回の主題歌は、原曲のキーと劇中のキーが違うんですよね。それから『淡々と歌ってください。』というプロデューサーの方からリクエストも入り、はじめは『どうしてだろう?』と疑問を感じていました。 でも、仕上がった作品のエンディングロールを拝見して、その意味がわかりました!」と話す藤木大地さん。
(是非映画本編をご覧になってその意味を感じ取ってください)
 
 
カウンターテナー・藤木大地のメジャー・デビュー・アルバム『愛のよろこびは』について…
 
 この主題歌「愛の喜びは」のオリジナルキーバージョンを収録した自身のメジャー・デビュー・アルバム「愛のよろこびは」を同じタイミングで発表した藤木大地。その内容につぃても監督から質問が飛び出します。
 
「1つのアルバムの中に『アヴェ・マリア』が3つもあり、3バージョンも入っているのですけど、こういうことってありなのですか?音楽が好きですが、そこまで詳しくないのでとっても新鮮でした。どうやって選曲するのですか?」と、先に口を開きます。
(注:アルバムには、バッハ=グノー、カッチーニ、シューベルトの「アヴェ・マリア」を収録。
 
「その一枚(アルバム)で何を伝えたいかを考えた時に、“愛”や“祈り”をテーマにしました。自然災害はもちろんですけど、戦争や紛争はなくならないし…しかし、音楽が必要になる局面があると思うのです。その想いが届けば、その時の救いになれたら嬉しいです。」と真剣に語る藤木大地。
 
松永大司監督はさらにアルバムの中身に想いをはせて、
「人間の歴史を遡った時に…一番原始的なものは音楽ですものね。文字を書くよりも、先に音を発しますし…そう考えた時に、自分が携わっている映画というものは一番不充分というか、映像も必要だし、音も必要だし、原始的なものから一番かけ離れているものですからね。特に藤木さんは楽器を用いる訳でもない、身一つで声で表現するってすごい!
また…ブレスというか、間が絶妙ですよね!」と興奮気味なほどに音楽愛を語ります。
 
 
再び、映画音楽について…
 
 「そんな松永監督だって間を観る者に与えるように、「自分の瞬間」を盛り込ませてくれる隙間を作っていますよね?
その隙間があるおかげで想像がすごく膨らんで、鑑賞者側が自由に想像を描けるというか。
また、その映像の余白に音楽の和音だけなく、自然の音・日常音などを良いタイミングに入れるなど、そこに監督の手法というか、音に対しての独特の表現がありますよね?」と藤木さんも問いかけました。
 
「シアターに足を運ぶことはもちろんですが、だからこそ…劇場でしか味わえないことを体験してほしいのです。僕自身、ライブに足を運ぶ人の気持ちがわかるからこそ、映画館に行ったら大きなスピーカーで音や音楽を聴くことが魅力に繋がると思います。だから、音楽にこだわりたいし、そこに力を入れています。」と、さらに広げて音へのこだわりを話す松永大司監督。
 
また、藤木さんが監督の過去作品『トイレのピエタ』でもクラシック音楽から『威風堂々』が使用されていることについて触れると、監督自身が大学時代に『威風堂々』が好きでハーモニカで練習していたという、意外なクラシック音楽とのつながる面白エピソードを披露して会場を湧かせてくれました。
  
最後に…
 
本編の映像に対して、物語の展開や自分の解釈によって、ある瞬間に価値観が変わることが好きだと話す松永大司監督。
「わかりやすいものが優先される現代、2、3回鑑賞することで伏線の回収の仕方が代わり、観え方や捉え方が変わってくると思います。“神は細部に宿る”という言葉がありますが、小説のタイトルや、車の車種など、地味ではあるけれど、その細部に気付いた時、鑑賞してくださっている人の解釈がどんどん変化していくことでしょう。映画と舞台芸術は(その永続性と先進性で)類似している部分があり、50年、100年経っても新しいことを生み出したい!」と意気込みを見せてくれました。
 
続いて、「普段は藤木大地さんの歌声をコンサートやCDを通して聞いている人には、本作品の余韻に浸りながら流れてくるエンドロールで聴くことで、また何か新たな発見があったり、その魅力が増すのでないでしょうか。劇場の音声で聴くことに好き嫌いはあるかもしれませんが、そのクロスを楽しんでいただけましたら幸いです。」
 
と話す松永大司監督に対して…
「次は何を一緒にしましょうかね(笑)」と答えた藤木大地さん。
 
「自分と違うジャンルの方と出会い、コミュニケーションが出たこと、トークショーも良いですが、やっぱり生歌をもっと聞いていたいな…ということで最後に歌ってくださいよ(笑)」と無茶振りのリクエストをした松永大司監督。
 
最後はそれに応えた藤木大地さんによる『アメイジング・グレイス』のアカペラ歌唱。
先ほど語られたテーマ“愛”と“祈り”を噛みしめるように、目を閉じて聴衆も見受けられます。
その歌声の余韻を残して、イベントは幕を閉じました。
 
 今回、開催されたイベント、対談では、映画『ハナレイ・ベイ』の制作にまつわる話だけでなく、2人が活躍するそれぞれのジャンルが交わる大変興味深いものでした。本編を鑑賞していない方はもちろんのこと、既に鑑賞した方も、2度3度と、劇場に足を運び、松永大司監督が散りばめた映画と音楽のまだ見ぬ発見に出会って欲しいと思います。

映画『ハナレイ・ベイ」最新上映スケジュールはこちら
https://eigakan.org/theaterpage/schedule.php?t=hanaleibay

なお、藤木大地が出演するイベントは続きます!
12月4日 東京 渋谷タワーレコード7Fにて
藤木大地 ミニ・コンサート&サイン会
https://tower.jp/store/event/2018/12/003003


12月18日 メジャー・デビュー記念 藤木大地 カウンターテナー・リサイタル
東京 紀尾井ホール 
出演:藤木大地、松本和将(ピアノ)
http://amati-tokyo.com/performance/20110609.html







●藤木大地(主題歌)プロフィール
2017年4月、オペラの殿堂・ウィーン国立歌劇場に鮮烈にデビュー。「メデア」ヘロルド役での殿堂デビューは現地メディアから絶賛され、音楽の都・ウィーンの聴衆からも熱狂的に迎えられただけでなく、日本人、そして東洋人のカウンターテナーとして史上初めての快挙として、日本国内でも大きな話題となった。幅広いレパートリーで国際的な活動を第一線で展開する、現在最も注目を集めるアーティストのひとりである。
 
 
●松永大司(監督)プロフィール
1974年生まれ。11年、現代アーティスト・ピュ~ぴるのドキュメンタリー映画『ピュ~ぴる』で監督デビュー。15年、初の長編劇映画『トイレのピエタ』(出演 野田洋次郎、杉咲花)が全国公開、第56回日本映画監督協会新人賞などを受賞。17年、ロックバンドTHE YELLOW MONKEYのドキュメンタリー映画『オトトキ』が公開。18年、EXILE TRIBE ×SSFF「CINEMA FIGHTERS/シネマ・ファイターズ」企画『ウタモノガタリ』に参加、TAKAHIRO主演『カナリア』を監督。最新長編作品は、村上春樹原作『ハナレイ・ベイ』(吉田羊、佐野玲於出演)
  • ALBUM
  • CD

愛のよろこびは (UHQCD)

2018.10.24 発売 ¥3,000+税/WPCS-13800

藤木大地愛のよろこびは (UHQCD)

  • ALBUM
  • CD

2018.10.24 発売 ¥3,000+税/WPCS-13800

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日本人、そして東洋人カウンターテナーとしても史上初の快挙!オペラの殿堂、ウィーン国立歌劇場でデビューを飾った話題のカウンターテナー藤木大地がワーナーミュージックからメジャーデビューアルバム発売!

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