Jakub Jozef Orlinskiヤクブ・ユゼフ・オルリンスキ

Profile

「オルリンスキは真のカウンターテナーであり、私がこれまで聴いたオペラ、またはそれ以外の舞台を含めても、最上のもののひとつだ。卓越したレガート、力が失われることのない低音域、丁寧なディクション、素晴らしい演劇的センス。簡単に言うと、彼はこのレパートリーにおいて、このタイプの声に期待できることの水準を決定的に引き上げたのだ。」 

ロジャー・パーカー、『オペラ』誌 2019年秋号


 

ポーランドのカウンターテナー、ヤクブ・ユゼフ・オルリンスキはオペラ、コンサート、レコーディングで大成功を収め、国際的なクラシック音楽シーンで最も勢いのある演奏家の1人として急速に頭角を現した。ワーナー/エラート専属契約アーティストとして、最初のレコーディング『アニマ・サクラ』は評論家から高い評価を獲得し、名誉あるOpus Klassik賞ソロ・ヴォーカル・レコーディング部門を受賞。ヨーロッパとアメリカを巡って行われた彼のコンサートは完売となり、この芸術ジャンルに新たなファンを獲得した。2017年のエクサンプロヴァンス音楽祭で披露したヴィヴァルディの「よろこびと共に会わん」のライヴ動画は視聴回数が400万回を超えている。エッフェル塔での「Concert de Paris」や、「Rebâtir Notre Dame de Paris」でのフランス国立管弦楽団との共演や、リヨン国立歌劇場管弦楽団と共演した「ヴィクトワール・ドゥ・ラ・ミュージック」受賞コンサートなどのテレビ出演は世界中で数百万人に放送された。また、『ザ・ニューヨーカー』誌にも大きく取り上げられ、ポーランド版『Vogue』でも特集された。ロマンティックな男性の登場人物のために書かれたバロック・オペラのアリアを収録したセカンド・アルバム『ファーチェ・ダモーレ』は、2019年11月にリリースされ、このアルバムを引っ提げてイル・ポモ・ドーロとヨーロッパ・ツアーを行った。また、ワーナーの『アグリッピーナ』の録音でジョイス・ディドナートと共演しており、クリスティーナ・プルハー率いるラルペッジャータのアルバムにも参加している。

 

ヤクブ・ユゼフ・オルリンスキは、2017年にジュリアード音楽院を卒業してすぐに、エクサンプロヴァンス音楽祭でカヴァッリ作曲『エリスメナ』のオリメロ役でデビューし、国際的なキャリアをスタートさせました。それに続いて、フランクフルト歌劇場でテッド・ホフマン指揮のヘンデル『リナルド』でタイトル・ロール・デビューを飾った。ジュリアード音楽院在学中には、カールスルーエのヘンデル音楽祭でヘンデルとヴィヴァルディを歌ってデビューしており、ニューヨークのカーネギーホールの舞台にも立ち、ヒューストン交響楽団とも共演している。また、ポール・アグニュー指揮のレザール・フロリサンとヴィヴァルディ『スターバト・マーテル』で共演、ジェーン・グラヴァー指揮のシカゴのミュージック・オブ・ザ・バロックとも公演を行った。ハリー・ビケット指揮イングリッシュ・コンサートとは『リナルド』のエウスターツィオ役でロンドン、セヴィリア、マドリード、ニューヨークでの公演に出演。グラインドボーン音楽祭では、『リナルド』で再びタイトル・ロールを演じ、イギリスのオペラ・デビューを果たした。フランクフルトとリールでは『ロデリンダ』のウルヌフォを演じ(エマニュエル・アイムとのDVDに収録)、ヨーロッパとアメリカ全土で数多くのグループとコンサートを行ってきた。

 

過去のシーズンのハイライトには、ニューヨーク・バロック・インコーポレーテッドのメンバーをゲストに迎えてカーネギーホールでのソロコンサートデビューを果たしたことなどが挙げられる。サンフランシスコ・オペラでは『パルテノペ』のアルミンド役を歌いアメリカでのオペラ・デビュー。ローレンス・カミングスの指揮で『ベルシャザール』でキュロスを歌い、チューリッヒ歌劇場でハウスデビューを飾った。ロシアでのデビューは、モスクワのザリャジエ・ホールのこけら落としのシーズンに完売したコンサートだった。ヘンデルの『メサイア』でワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団と共演し、モントリオール・バッハ・フェスティバルにもデビュー。ウィグモア・ホール、ヴェルビエ音楽祭、さらにスペイン、ベルギー、ポーランド、ドイツ、オランダでソロ・リサイタルを開催し、高い評価を得ている。2021年にメトロポリタン・オペラにて、ヤニク・ネゼ=セガン指揮で初演されたマシュー・オーコイン作曲『エウリディーチェ』ではオルフェオの奏でる“音楽”を演じ、話題を集めた。

 

オルリンスキは、余暇には、ブレイクダンスを楽しんでいる。この分野でも功績を残しており、Red Bull BC One Poland Cypherで 4 位に入賞するなど、多くのダンス・コンテストでの受賞を果たしている。また、ストリートウェア会社 CROPPのコマーシャルに出演したほか、Levi's、Nike、Samsung、Mercedes-Benz、MAC Cosmeticsなどのキャンペーンでダンサー、モデルとして出演した。

 

2023年、Opus Klassik賞のシンガー・オブ・ザ・イヤーを受賞。

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