James Bluntジェイムス・ブラント

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野郎も泣いた!ジェイムス・ブラント ライヴ・レポート!

2006.4.26

去る4/24(月)、日本で初めてとなるジェイムス・ブラントのライヴが渋谷AXで行われた。チケットはもちろんソールド・アウトとなっており、ネット・オークションでは20,000円前後で取引されるプラチナ・チケットとなっていた。
集まったオーディエンスは男女比半々ぐらいで年齢層は幅広く、あらゆる世代からの支持を得ていることが見て取れた。前述のようにチケットは売り出してからかなり早い段階で売り切れとなったので、日本デビュー後すぐにファンになった観客が多かったと思われる。
定刻の19:00をやや過ぎたところでジェイムス・ブラントが登場。ジーパンに赤いTシャツとグレーのブルゾンという実に普段着なスタイル。1曲目はアップテンポのアルバム未収録曲「ブリーズ」で、ギターを振り回しオーディエンスを煽る煽る!観客は大歓声でそれに応え、この記念すべき、そしてこの貴重な、待ちに待ったジャパン・ツアーの幕開けを祝福した。
以下、セットリストは下記の通り。

1. Breathe / ブリーズ*
2. Billy / ビリー

3. High / ハイ
4. Cry / クライ
5. Goodbye My Lover / グッバイ・マイ・ラヴァー
6. Coz I Luv You / コズ・アイ・ラヴ・ユー(スレイドのカヴァー)*
7. Tears and Rain / ティアーズ・アンド・レイン
8. I Really Want You / アイ・リアリー・ウォント・ユー*
9. Out Of My Mind / アウト・オブ・マイ・マインド

10.No Bravery / ノー・ブレイヴリー

11.Same Mistake / セイム・ミステイク*
12.Wise Men / ワイズ・メン
13.So Long, Jimmy / ソー・ロング・ジミー
(Encore)
14.Where Is My Mind ?/ ホエア・イズ・マイ・マインド(ピクシーズのカヴァー)*
  『チェイシング・タイム~ベッドラム・セッションズ(DVD+CD)』に収録
15.You’re Beautiful / ユア・ビューティフル
*印:新曲、或いは未発表曲。
ほかはアルバム『バック・トゥ・ベッドラム』収録曲。

レコードで聞くのと同じ、ハスキーでハイトーンのジェイムスのヴォーカルには力があり、独特のヴィヴラートは曲に表情を与えオーディエンスを酔わせる。「グッバイ・マイ・ラヴァー」や「ノー・ブレイヴリー」はピアノ弾き語りで披露。ファルセットと胸声を自在に行き交い、美しい曲を書くソングライターとしての才能と同様、ヴォーカリストとしての実力も見せしめた。
MCはほとんどなかったものの、演奏を終えると「ドウモアリガトウ」と日本語で挨拶。スレイドのカヴァーを演奏する時は、スペシャル・プレゼントだと言いつつも、「この曲を聴くのは初めてかもしれないけど、きっともう二度と聴きたくないと思うよ!」とジェイムスらしいジョークで場内を沸かせた。
「ワイズ・メン」、「ソー・ロング・ジミー」とアップテンポの曲で本編を締めくくり、アンコールに応え再登場。ピクシーズのカヴァーに続き聴こえて来たのは、12弦ギターによるあのおなじみのイントロ、「ユア・ビューティフル」だ。場内割れんばかりの歓声、そしてジェイムスの歌に聴き入る。やがてそれは合唱となり、会場が一体となってジェイムスの歌のためのコーラスとなる。感動を誘う瞬間が訪れた。ぞわぞわと感情がこみ上げ、涙腺が緩む。会場の誰もが愛する曲、ジェイムスと出会うきっかけとなった曲、その曲にいま、生命が与えられ会場を包み込んだ。
この曲でライヴは幕となった。目を真っ赤にしたファンのなんと多かったことか。ハンカチをだすのが照れくさいのか、手で涙をそっとぬぐう男性ファンの姿も。至福の時を同時に体験した会場を後に、名残惜しそうにそれぞれの帰路へとついていった。

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