８８年６月、４３才の若さで他界したジェシ・エドウィン・デイヴィス。
父親はコマンチ族、母親はカイオア族。オクラホマ出身の異色のインディアン・ギター・プレ イヤーとして数多くのミュージシャンから今なお信捧され続けている。

　 ジェシ・デイヴィスの名が広く知られるようになったのは、７１年にジョージ・ハリソンの提 唱によって行なわれたバングラデシュ難民救済コンサートに出演してから。
６０年代中頃からタジ・マハール・バンドのメンバーとして、その後もリヴォン・ヘルム（ザ ・バンド）、レオン・ラッセル、ボブ・ディラン、ジーン・クラーク、トム・ヤンス等々、数 えきれない程多くのミュージシャンと親交を深め、セッションに参加している。

スライド・ギタリストとして圧倒的な評価を得ているジェシ・デイヴィスの魅力は、ライ・ク ーダーよりも泥臭く、レズリーを通した音色、決して出しゃばらないポイントを押さえたフレ ーズ・ワーク。ヴォーカルのダル＆ルーズな感覚は聴き込む程に味が出る独特なものである。