「アルレッキーノ」を書きあげたブゾーニが、組み合わせて上演され得る歌劇作品を書きあげるという衝動から完成をみた「トゥーランドット」。東洋の残酷な姫君を題材とした、カルロ・ゴッツィの演劇にに触発されて作曲され、まもなく世に出たプッチーニ作品の陰に隠れた評価となっているがその音楽的な質の高さは見逃せない。スザンヌ・メンツァー（メゾソプラノ）やフィリップ・フッテンロッハー（バリトン）を配したナガノ指揮の名演、1991-1992年録音。

「コッペリア」は「アダン：ジゼル」と並んでフランス・ロマン派バレーの代表作。ＥＴＡホフマンの物語を基に制作（普仏戦争により振り付け師とプリマが死亡するとゆう困難を乗り越えて）され、代表的なバレエ作品として定着している。マギー・マランの革新的な振り付けで大成功した1993年のリヨンの制作時にナガノとリヨンのオケにより収録、1993年録音。

「イーゴリ・ストラヴィンスキー」シリーズ 本デジタル・シリーズで中心的な存在のケント・ナガノの輝ける全曲版、1991-1992年録音。

「イゴール・ストラヴィンスキー」シリーズ　 「ペルセフォーヌ」は有名作品とはいえないが、1930年代ストラヴィンスキーがギリシア神話に深く触発された新古典主義時代の作。アンソニー・ロルフ・ジョンソン（テノール）を起用した録音と、強力な「春の祭典」と組み合わせて収録。1991年録音。

「イゴール・ストラヴィンスキー」シリーズ　 「放蕩児の遍歴」はストラヴィンスキーがオペラに取り組んだ最初期の作品で英国のウィリアム・ホガースの絵画に触発されて手掛けられ、18世紀のオペラにオマージュを捧げて、ハープシコード伴奏によるアリア、レチタティーヴォが成功を博した、「新古典主義」時代の最後期の作品。グレイス・バンブリー（メゾ・ソプラノ）、サミュエル・レイミー（バス）も参加した豪華キャストによる1995年録音。

ドラマティックな性格や暗い情念、生命感と幸福感の対比が美しいケント・ナガノのマーラー。