控えめながらも驚くべき才能を持ち、ピアノ界の偉大な存在であったマリア・ティーポ。尊敬される教育者でもあった彼女は、2025年2月にこの世を去りました。彼女が遺したディスコグラフィーは短いながらも、美しく価値あるものです。このアルバムには、若き日の作品から晩年の傑作まで、多彩なベートーヴェンによるピアノ・ソナタと協奏曲が収められています。協奏曲では、ロンドン交響楽団をハンス・グラーフが指揮しています。 22トラック／2時間27分収録

ナポリ出身のピアニスト、マリア・ティーポの継続的なディスコグラフィー。「我々の時代で最も才能ある人物」とルービンシュタイン自身がかつて評した彼女が、限りない繊細さで演奏する有名なモーツァルトのピアノ協奏曲のコレクション。アルミン・ジョルダン指揮のアンサンブル・オルケストラル・ド・パリ、による共演とともに。1990年録音。

マリア・ティーポは、同郷の作曲家ムツィオ・クレメンティのピアノ作品の熱心な擁護者でした。1970年代には、彼の膨大なソナタ全集を初めて録音したピアニストとなり、フォニット・チェトラ（現在はワーナー・ミュージック・イタリーが所有）からリリースしました。数年後、彼女は再びクレメンティの音楽に立ち返り、その豊かな音楽言語を見事に表現した美しい作品集を録音しました。1992年録音。  

故マリア・ティーポへの追悼の意を込めて——2025年2月10日に逝去した彼女を偲び、1994年に録音された最後のアルバム、ショパンの《夜想曲》全集をリリースします。 この美しい演奏は、ティーポの録音活動の締めくくりとなりました。 “ナポリのホロヴィッツ”と称された彼女は、その後、演奏活動から身を引き、教育に専念する道を選びました。

2025年2月10日、93歳で逝去されたイタリアのピアニスト、マリア・ティーポのシューマンの名演

ブゾーニ没100年（2024年7月27日）記念発売 その天才ぶりは20世紀への変わり目の時代で大いに敬意を評される存在であり、新ウィーン楽派などの前衛的な音楽ムーヴメントに大きな影響を与えた。ブゾーニはバッハ作品の編曲でも知られ、スペシャリストといえるティーポの演奏。シャコンヌやトッカータとフーガ ニ短調などを収録。1987年録音。

スカルラッティはマリア・ティーポの得意中の得意のレパートリーで、他レーベルにも名録音を残しています。精巧な美術工芸品のような味わいを持つスカルラッティのソナタ18曲を無味乾燥にならずに、しっとりと聴かせてくれるあたりはマリア・ティーポの独壇場。これも『ディアパゾン・ドール』を獲得した、1987年録音の名盤。  

イタリアの名ピアニスト、マリア・ティーポは若い頃からヴィルトゥオーゾとして有名で、初めての渡米の際には300回以上のコンサートをおこなって、「ナポリの女ホロヴィッツ」の異名をとったのだとか。 　そんな力強い芸風の持ち主だったマリア・ティーポの円熟の姿を伝えるのが、旧EMIで制作した一連のバッハ録音です。ティーポ50代半ばから60代始めにかけておこなわれたこれらの演奏では、熱いところはどこまでも熱く、優しいところではニュアンス豊かにバッハへの共感があらわされて行きます。

イタリアの名ピアニスト、マリア・ティーポは若い頃からヴィルトゥオーゾとして有名で、初めての渡米の際には300回以上のコンサートをおこなって、「ナポリの女ホロヴィッツ」の異名をとったのだとか。 　そんな力強い芸風の持ち主だったマリア・ティーポの円熟の姿を伝えるのが、旧EMIで制作した一連のバッハ録音です。ティーポ50代半ばから60代始めにかけておこなわれたこれらの演奏では、熱いところはどこまでも熱く、優しいところではニュアンス豊かにバッハへの共感があらわされて行きます。