Mariam Batsashviliマリアム・バタシヴィリ

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デビューアルバム・コメント…心に深く浸透してくるリスト&ショパン(伊熊よし子)

2019.8.8

リスト・コンクール優勝により国際舞台へと飛翔した
マリアム・バタシヴィリの、心に深く浸透してくるリスト&ショパン


 マリアム・バタシヴィリは、2014年にオランダ・ユトレヒトで開催された「リスト国際ピアノ・コンクール」で優勝の栄冠に輝いた。以来、「リストのスペシャリスト」と称され、各地で活発な演奏活動を展開している。

 マリアムは5歳からナタリア・ナツヴリシヴィリに師事し、ピアノひと筋の人生を送ってきた。2011年にはワイマールで行われた「若いピアニストのためのリスト国際コンクール」で優勝し、その後ユトレヒトでのコンクールへと歩みを進めることになる。

「私は子どものころからリストが大好きで、特別な存在。12歳で初めて《ラ・カンパネラ》を弾いたときから一面的ではなく、あらゆる側面を内包した作品に魅了されています。リストは音楽家としても人間としても多面的であり、ハンサムでチャーミング。デビューCDはぜひリストを収録したかった。これに同時代のショパンを入れ、ふたりの作曲家をつなぐ作品を組み合わせたかったのです」

 まず、CDはリストの「孤独の中の神の祝福」で幕開けし、沈み込むような内省的で純粋な表現に心が奪われる。ここからすでにマリアムの強烈な個性に心がわしづかみにされる。
「リストは超絶技巧で華やかで派手な作品が多いと思っている人に彼の本来の姿を知ってほしいと思い、一番好きな曲から始めました。ショパンも大好きな作曲家で、エレガントで繊細。練習曲でもすばらしい曲想に彩られています。その深遠な内面性を伝えたい」

 マリアムのピアノは知的で思慮深く、内省的で構築性に富む。その演奏は聴き手の心の奥深く浸透してきて強い印象をもたらす。素顔はとても真摯で音楽に対して情熱のすぺてを傾けている姿勢が印象的。とりわけリストに対する思いが強烈で、その深き情熱が音楽に宿り、聴き手をリストの世界へといざなう。
伊熊よし子(音楽ジャーナリスト)

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Mariam Batsashvili / マリアム・バタシヴィリLiszt, Chopin: Piano works / リスト、ショパン:ピアノ作品集【輸入盤】

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2019.09.03 発売/9029.542786

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ジョージア(旧グルジア)出身のピアニスト、マリアム・バタシヴィリ。2014年、オランダ、ユトレヒトで開催された“リスト国際ピアノコンクール”で優勝、以降「リストのスペシャリスト」として評価されています。今回のワーナークラシックスからのデビュー・アルバムは、彼女が得意とするリストと、リストが親友と呼んでいたショパンの作品を併せ、2人の巨匠の関係性を探るという1枚。 冒頭のリスト「詩的で宗教的な調べ」の第3番「孤独のなかの神の祝福」から、沈み込むような音色に魅了されます。この曲は静かな雰囲気を湛えていながらも、不思議な躍動感のある演奏は独特のもの。バタシヴィリの曲に対する愛情がひしひしと感じられます。 良く知られた「乙女の願い」 を含む ショパンの素朴な歌曲をリストが華麗なピアノ曲へと編曲した「6つのポーランドの歌」は2人の巨匠を繋ぐ作品であり、ショパンとリスト、各々の性格がにじみ出でいます。とりわけいかにもリストらしい第5曲「わたしの愛しい人」での過剰ともいえるリストの思いをバタシヴィリは的確に描き出しています。 瞑想的なリストの顔が垣間見える 「コンソレーション」、ショパンとリストの練習曲を並べた後半部も聴きどころ。バタシヴィリはリストとショパンの違いを丹念に浮かび上がらせることに成功しています。  

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