Mark Elderマーク・エルダー
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Dinizetti: Il Paria / ドニゼッティ:歌劇「世襲貴族」(全曲)【輸入盤】
Opera Rara 設立50周年記念録音。ドニゼッティの問題作「世襲貴族」 このドニゼッティの歌劇「世襲貴族」は、彼の13番目のオペラであり、ナポリのサン・カルロ王立劇場の音楽監督として初の作品でした。世襲貴族というのは、インドのヒンドゥー教のカースト制度でカーストにすら入れられない最下層民ダリットのことで、現代に至るまで非常に過酷な差別に遭っています。これを取材したフランスの作家カシミール・ドラヴィーニュによる悲劇的戯曲「ル・パリア」(1821年)とドメニコ・ジャルドーニの台本に基づいて書かれたオペラで、宗教的不寛容(バラモンとパリアとして知られる望ましくないカーストの衝突)を扱ったものです。この作品の上演することはドニゼッティのキャリアの中で最も重要な出来事で、サン・カルロでのロイヤル・ガラ・ナイトでの初演は、彼が特別な注意を払ったオペラでした。しかしこの公演では「国王が称賛するまで誰も称賛することは許されない」という独自の問題のため成功を果たすことはできませんでした。しかしドニゼッティはこの作品を誇りに思い、その後の彼の歌劇「トルクァート・タッソー」「愛の妙薬」「アルバ公爵」などの多くのオペラに転用しています。 「Opera Rara」は、19世紀から20世紀初頭の失われたオペラの遺産を再発見、復元、記録、実行するための財団として設立され、2020年にちょうど50年をむかえます。無視されたオペラの傑作を探しだし、現代の観客が楽しむために生き返らせ、そして最高の歌手、指揮者、オーケストラ、音楽学者と協力して、オペラ界の最先端としてレパートリーの拡大を先導し、他のオペラ関係者・愛好家への新しい未知のオペラの宝石を探求するよう奨励しています。2018年の「ロッシーニ:セミラーミデ(完全版)」、2019年の「ドニゼッティ:ニシダの天使」「プッチーニ:レ・ウィリス」は、世界的に高い評価で多くの賞を受賞。特にドニゼッティについてはこれまで数多くの作品を上演・録音を行ってきています。 この演奏は、2019年のバービカン・センターでの公演の前に、BBCのスタジオでセッション録音されたもので、2013年に英国ロイヤル・オペラでデビューして以来メト、ミラノ、ウィーンの歌劇場、そしてザルツブルク音楽祭でも絶賛のソプラノのアルビナ・シャギムラトヴァ。ロッシーニ・オペラ・フェスティバルの常連でもあり、2019年新国立歌劇場での「セビリャの理髪師」で美声とテクニックを聴かしてくれたテノールのルネ・バルベラ。その他、英国ロイヤル・オペラの常連実力歌手らが起用されており、エルダーのドニゼッティの作品を知り尽くした指揮が劇的な作品の魅力を存分に伝えています。忘れられたオペラに光を当てるOpera Raraレーベルらしい企画です。 100ページ・ブックレット付き(解説、シナリオ、歌詞対訳は欧文のみ)
2021.01.15 発売/9293.800602
マーク・エルダー & ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団Puccini: Le Willis / プッチーニ:歌劇『妖精ヴィッリ(レ・ウィリス)』【輸入盤】
2019.09.20 発売/9293.800592
Donizetti: L’Ange de Nisida / ドニゼッティ:ニシダの天使【輸入盤】
2019.03.22 発売/9293.800582
Rossini: Semiramide / ロッシーニ:歌劇「セミラーミデ」【輸入盤】
2018.09.14 発売/9293.800572
マーク・エルダー & ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団Puccini: Le Willis / プッチーニ:歌劇『妖精ヴィッリ(レ・ウィリス)』【輸入盤】
2019.09.20 発売/9293.800592
プッチーニの初期作品『妖精ヴィッリ』の、初稿版からのリコルディ再構築版を使用し134年ぶりに上演、リリース! 1883年、25歳のプッチーニは師ポンキエッリの薦めで「ソンジョーノ・コンクール(一幕ものオペラのコンクール)」に応募、『妖精ヴィッリ』の作曲に取り掛かります。しかし、締め切りまでに完成させることができず、未完成の譜面を送ったものの敢え無く落選。しかしボーイトの尽力により1884年に初演され大好評を博しました。その後、リコルディ社と契約を結び、作品を「2幕版」に改訂し、現在ではこちらの形が知られていますが、この演奏は1幕ものの初稿版をMartin Deasyが再構築、オリジナルの形での初上演となったものです。(アルバムには、2幕版にするために付け加えられた3つのアリアも含まれています)主役のアンナを歌うのは、若手注目のソプラノ、エルモネラ・ヤホ。愛するロベルトに捨てられたアンナの悲しみを見事に歌い上げています。ロベルト役のソゴモニアンも軽薄な若者を見事に演じ、アンナの父親グリエルモを歌うマリガンは、知的で賢明な人物を的確に表現しました。妖精たちの踊りと恋人たちの愛の場面を彩るロンドン・フィルハーモニー管弦楽団を見事にコントロールするエルダーの指揮も聴きどころです。忘れられたオペラに光を当てるOperaRaraレーベルらしい企画です。ブックレットには、リハーサル風景などの多くの写真、解説・歌詞・対訳(欧文のみ)が掲載予定。
Mark Elder/マーク・エルダーDonizetti: L’Ange de Nisida / ドニゼッティ:ニシダの天使【輸入盤】
2019.03.22 発売/9293.800582
1838年、それまでイタリアで名声を獲得していたドニゼッティのオペラが、初めてフランスのパリで上演されることが決まったのです。ドニゼッティはいくつかの作品を用意し、その中にこの《ニシダの天使》も含まれていたのです。台本の一部はパチーニのオペラ《アデライーデとコミンジョ》とほぼ同じものであり、最後の場面はダルヌーの戯曲《Les Amants malheureux 不幸せな恋人たち》に基づいています。1839年12月27日に作品は一応の完成を見ましたが、ナポリ王とその愛人を巡るストーリーが検閲に接触、また上演予定であったパリ・ルネッサンス劇場が経営破綻をきたしたため、結局この作品はリハーサルされたのみで、上演されることはありませんでした。 ドニゼッティは《ニシダの天使》の素材の多くを《ラ・ファヴォリート》へ転用しておる、現在しばしば上演されています。しかしこの《ニシダの天使》は179年間歴史に埋もれており、今回の上演に関しては、アイルランド国立大メイヌース校の研究員で音楽学者のカンディダ・マンティカが、フランス国立図書館などにあることを突き止め、10年間に及ぶ研究のもと散逸した楽譜を解読。そして800ページの総譜を復元することで、2018年7月に初演が実現しました。主役を歌うジョイス・エル=コーリーと韓国出身のジョンフン・キム。彼らを取り巻く歌手たち(なかでもヴェテラン、ロラン・ナウリは絶品)の熱唱と、エルダーの端正な指揮が作品の魅力を存分に伝えています。124ページブックレット付
Mark Elder/マーク・エルダーRossini: Semiramide / ロッシーニ:歌劇「セミラーミデ」【輸入盤】
2018.09.14 発売/9293.800572
ロッシーニがヴォルテールの悲劇「セミラミス」を基に、1823年に作曲したオペラ・セリアで、ロッシーニのイタリア時代最後の作品。古代バビロニアを舞台に、夫殺しに加担した女王の運命を描いたロッシーニの大作オペラ「セミラーミデ」。古代バビロニアの女王セミラーミデはアッシリアの王子アッスールにそそのかされ、夫である国王ニーノ殺害に加担した。ニーノとの息子であるニニアは、ニーノが死んでから行方がわからなくなっていた。国王の死から15年が経ち後継者を選ぶ必要に迫られたセミラーミデは、若い武将アルサーチェを夫に迎えて王位を継がせようとする。しかし、彼こそが行方不明の息子ニニアだった…という劇的メロドラマ。 この50年の間、現代での全ての復興再演において部分的に削除されたり、ロッシーニ当時の演奏法など無視されてきました。オペラ・ララ・レーベルがお贈りするこの録音は、完全版としての初の録音のものとなり、ピリオド楽器を使用し、歴史的演奏も心がけながらもドラマティックな演奏となっています。最近では珍しいスタジオ・セッション録音で行い、完璧なものとしてロッシーニ没150年にふさわしいアルバムとなっています。 多くのリハーサル及び録音風景カラー写真、歌詞(原語イタリア語、英語対訳のみ)入り、120ページブックレット付