ここに収められた作品は、いずれも「オーケストラの魔術師」と呼ばれた作曲家達のもので、豊かで精妙な色彩表現で知られています。閃きに満ちた情熱的な演奏で知られるアルゲリッチと、作曲家でもある鬼才ラビノヴィチとのデュオは、たった二人で百人ものオーケストラが演奏する作品に挑み、ピアノという楽器から想像を超えた響きを引き出しました。一瞬たりとも耳を離せないスリリングな演奏で、演奏芸術の一つの究極と言えます。  

2台のピアノによるデュオは、演奏次第でまったく印象が変わってしまいます。本能的・直感的な閃きで情熱的に演奏する天才肌のアルゲリッチと、眼光紙背に徹する読みで作品の新たな可能性を引き出す鬼才ラビノヴィチのスリリングな二重奏は、ピアノ・デュオの醍醐味を示してくれます。管弦楽曲やピアノ五重奏曲に結実した作品では、オーケストラにも引けを取らない俊敏さと立体感を示し、ワルツでの軽妙な駆け引きも見事です。

まさに変幻自在。一時たりとも、一音たりとも聴き逃せないのがアルゲリッチのピアノです。瞬間瞬間の閃きが彼女の信条。まさに音楽の申し子といえるでしょう。このアルバムには、伝説の1965年のショパン録音から、2013年までのルガーノ音楽祭ライヴまで、ピアノ・ソロ、ピアノ・デュオ、室内楽、協奏曲まで幅広いジャンルの演奏が収録されています。ピアノへの熱情の深さを持ち合わせた、彼女ならではの世界による類い希なダイナミズムが表出された演奏を堪能できるベスト盤です

≪日本独自企画≫ ルガーノ・フェスティヴァルの「アルゲリッチ・プロジェクト」から、選りすぐりのトラックを厳選。

アルゲリッチ＆デュトワの名盤が、初アナログLP盤で発売！

アルゲリッチが全力で若手を育成し続けたプロジェクト 最後の夏の記録。 このプロジェクトで目指していた方向性が如実にわかる、ライヴ録音盤。

アルゲリッチが全力で若手を育成し続けたプロジェクト 最後の夏の記録。 このプロジェクトで目指していた方向性が如実にわかる、ライヴ録音盤。  

2015年も実り多きプロジェクト！ 14回目となるルガーノ・フェスティヴァル「アルゲリッチ・プロジェクト」ライヴ盤。

13回目のルガーノの夏。今年も聴きどころ満載の3枚組。

スイス南部の都市ルガノで４月から６月にかけて開催される「ルガノ音楽祭」。なかでも注目されるのが、2002年から始まったマルタ・アルゲリッチの主催による「マルタ・アルゲリッチ・プロジェクト」で、ここでは珍しい室内楽作品を中心とした彼女の演奏が聴けるだけでなく、彼女が見出した若き才能を聴く事ができる貴重な機会であり、毎年多くのファン、関係者たちが楽しみにしている音楽祭です。 この２枚組は、そんな「アルゲリッチ・プロジェクト」で取り上げられた幾多の作品の中から、ラフマニノフの２台ピアノのための作品を抽出したものです。2009年の、ラフマニノフ自身の編曲版による『交響的舞曲』はこれまでのアルバムには未収録の演奏で、アルゼンチン生まれのピアニスト、ネルソン・ゲルネル（ゲルナー）をパートナーとした情熱的なアンサンブルが繰り広げられています。他の曲も、全て注目のピアニストたちがアルゲリッチとパートナーを組んでおり、例えば、あの個性的すぎるバッハ編曲でお馴染みのガブリエル・モンテーロも、ここではラフマノニフの濃厚でむせ返るようなロマン的な演奏をしています。アルゲリッチと言えば、この作品ではネルソン・フレイレとの決定的名演が存在しますが、このモンテーロとの演奏はまた違ったアプローチが感じられる興味深いものです。ラフマニノフの第一人者、リーリャ・ジルベルシテインの確固たる演奏、アントン・ゲルツェンベルク、アレクサンドル・モギレフスキーもアルゲリッチのパッションをしっかりと受け止めています。

アルゲリッチの演奏を最多収録！ピリスとの連弾、モーツァルトの協奏曲など聴きどころ満載。

ラヴェル、リストの「ピアノ協奏曲」、ベートーヴェン「ヴァイオリン・ソナタ第3番」でのR.カピュソンとの共演。ピアニストとしてのアルゲリッチの本懐を存分に堪能できる2011ライヴ。