クレンペラーのメンデルスゾーンは強烈な個性に貫かれています。メロディを優雅に歌わせるばかりの保守的なスタイルとは対極にある演奏で、大地に根ざした重厚な響きから、濃厚なロマンが立ち上ってきます。メンデルスゾーンの軽やかなイメージを覆した、クレンペラーならではのアプローチです。2011年リマスター。

人生の哀歓をじっくりと歌いあげるクレンペラーが晩年に到達した境地。クレンペラーが残した録音の中でも白眉ともいえる名演です。マーラー最後期の、厭世観と甘い憧れが込められた《大地の歌》に対し厳しく向き合い、底知れぬ深淵を垣間見せてくれます。ヴンダーリヒとルートヴィヒの歌唱も絶妙。2011年リマスター。

クレンペラーの個性が花開いた極上の《真夏の夜の夢》です。クレンペラーの演奏するメンデルスゾーンは他の作曲家の作品に対する解釈同様、実に個性的でありながらロマンティック。構築性に富んだ世界観に基づく演奏は、音楽そのものの質すらも引き上げてしまうような印象を与えてくれます。2011年リマスター。

オットー・クレンペラー[1885-1973]がＥＭＩにステレオ録音した定評あるマーラーをまとめた６枚組ボックス。2011年にイギリスで、日本のSACDのために制作されたリマスター音源と同等のものを各交響曲に使用

クレンペラーの作曲した交響曲第２番、弦楽四重奏第7番、『メリー・ワルツ』のほか、ストラヴィンスキー、ヴァイル、ヒンデミット、フンパーディンクという２０世紀に活躍した作曲家による音楽を収録。 戦前のクレンペラーは、同時代音楽の紹介者として、ヒンデミットやワイル、ストラヴィンスキーなどと交流があり、作品もよくとりあげていました。 晩年になって録音されたそれらの作曲家の音楽は、この時期のクレンペラーならではの拡大された造形と細部表現への独自のこだわりが特徴的で、『プルチネッラ』の第２曲「セレナータ」でのコントラバス強調や、『３楽章の交響曲』でのリズムの扱いなど、武骨で実に面白い聴きものとなっています。 なお、DIsc3後半とDisc4は、BBCで放送されたジョン・トランスキー執筆・構成・ナレーションによるクレンペラーの「サウンド・バイオグラフィー」となっており、クレンペラー自身のトークや、関係者証言（すべて英語）など織り交ぜながら、演奏音源も交えてクレンペラー像に迫っています。（

クレンペラー指揮によるベートーヴェン：交響曲全集と序曲集に加え、数々の別録音も収録

クレンペラーが得意としたモーツァルト作品からオペラを収録。

ゆったりしたテンポを基調に、力感よりも情報量を重視した音楽づくりで、深々とした立体的な演奏。様々な部分での厳しく毅然としたアプローチなど随所に聴きどころを含ませた、クレンペラー流ブルックナーの魅力満載の演奏。

マーラーの奥深さ、意味の複雑さ…それを表現するクレンペラーの凄み。

数多いクレンペラーの名盤の中でも白眉。限りなく奥深い《大地の歌》。

豊かな滋味、深い陰影。クレンペラーの個性が花開いた極上の《真夏の夜の夢》。

謹厳・剛直なクレンペラー晩年の大演奏。恐ろしいほどに堅固で明快な《荘厳ミサ曲》。