Peter Iversピーター・アイヴァース

Profile

1946年生まれ、1983年死去。ハーヴァード大学出身でギリシャ語、ラテン語のほか、東洋哲学、ヨガなどを学んだ天才肌。音楽のキャリアの出発点はリトル・ウォルターのブルース・バンド。レコード・デビューは69年。ピーター・アイヴァース・バンド名義で『ブルー・コミュニオンの騎士』をリリース。ブルースをベースにしながら、フリー・ジャズ、ロック、クラシカル、フォークなどの要素をミックスした上で、エレクトリックな処理も施されており、既にピーターの個性を感じさせる音楽が完成している。

LAに移った彼はヴァン・ダイク・パークスなどとの活動を経て、1974年に『ターミナル・ラヴ』をワーナー・ブラザーズよりリリース。このアルバムで彼の特異な音楽性は完成された。
前衛ブルース+アシッド・フォーク+ロックといった趣の個性溢れるこのアルバムは今日のミュージック・シーンでも、カルト的な人気を博している。
76年には元スプーキー・トゥースのゲイリー・ライトとの共同プロデュースでサード・アルバム『ピーター・アイヴァース』を制作。カーリー・サイモンとのデュエットといった話題もあり、彼の尖った音楽性も少々影を潜めたが、ファンク、レゲエ、などのスタイルも取り入れ親しみやすい内容になっている。
その後彼は、ローウェル・ジョージ、ディー・ディー・ブリッジウォーター等と共演したり、ニューヨーク・ドールズ、ジョン・ケイルとステージを共にしたり、また、ビデオ・アートなどの制作も手がけ、幅広い分野で活躍した。ロック・ショーや、自伝とも言えるミュージカル『ニルヴァーナ・キューバ』の制作にも取り掛かっていた。また、他のポップ・アーティストへの楽曲提供も果たしている。
 そして、突然彼の死が伝えられたのは1983年のことである。3月3日没。死因は未だ不明。
 死後に組まれた編集盤『ニルヴァーナ・ピーター』にはセカンド&サードからの曲の別ヴァージョン、ミュージカル『ニルヴァーナ・キューバ』からの曲、その他に未発表曲、ハーモニカ・ソロなども収録されている。

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