ピリオド奏法の先駆者として多数の衝撃的な演奏録音や、NHK交響楽団への客演を通して日本でも親しまれ、2021年11月に指揮活動から引退した《ロジャー・ノリントン》。その功績が最も表れている旧EMI・Virgin・Warnerへの録音を全て収録したBOX

「ブルックナー：第3番」の初版による演奏。改訂稿と比べて軽めのオーケストレーションであり、ピリオド楽器による演奏は、よりふさわしい仕上がりとなっていると評価されている演奏、1995年録音。

ノリントンが取り組んだ「ドン・ジョヴァンニ」のから「プラハ版」での楽曲で収録。1992年録音。

作曲時のオリジナルなヴィジョンを提示した「ブラームス：第2番」と管弦楽作品の組み合わせ、1990-1992年録音。

ノリントンがベートーヴェン：交響曲全曲録音の後に、取り組んだブラームスの交響曲全集。ピリオド楽器による19世紀中盤の音楽作品表現もどのような効果をもたらすのか物議を醸した録音。作曲時のオリジナルなヴィジョンを提示した画期的録音、1990-1995年録音。

ノリントンのディスコグラフィ・シリーズ　 ノリントンと彼が1978年に創立したピリオド楽器オーケストラとのワーグナーの名前奏曲、序曲集でジェーン・イーグレン（ソプラノ）の歌唱により「イゾルデの愛の死」も収録、

ノリントンとその手兵、LPCの初のオペラ・レコーディングだったもの。早めのテンポで演奏される「序曲」でのオーケストラの響きは、聴き手をオペラに引き込むのに十分な力をもっています。小気味よいテンポと明瞭にアクセントが付けられた指揮が魅力的。

ノリントンのディスコグラフィ・シリーズ　 ノリントンと彼が1978年に創立した古楽オーケストラとの名録音から 好評を得たシューベルトの大曲「ザ・グレイト」、1988年録音。

ノリントン指揮による大胆な新解釈による「魔笛」。ウィーンでの再演版（大失敗だったとされる）として収録、1992年録音。

後年クラリネットの傑作を残したウェーバーが、クラリネットを編成から外した初期の協奏曲、メルヴィン・タン（フォルテピアノ）を起用した協奏曲作品、さらに魅力的な「オベロン」序曲を組み合わせたノリントンのウエーバー作品集、1988-1994年録音。

ベートーヴェン作品はピリオド楽器で演奏すべきという強い信念から、ノリントンが選択したメルヴィン・タンの演奏するナネッテ・シュトライヒャー製のコピーのフォルテピアノでの録音。合唱幻想曲にはロンドン・シュッツ合唱団が参加。1988-1989年録音。

1986～89年デジタル録音。血気盛んなオリジナル楽器演奏で知られていた頃のノリントンによる傑作。のちのモダン楽器オケを率いた再録音と比べても、この果敢なベートーヴェン演奏の魅力はまた格別です。 　前のめりなくらい推進力に満ち、イキの良いテンポとダイナミックな表情がとても刺激的で、「オリジナル楽器を用いるということは、演奏する作品をリフレッシュするということであって、けっして回顧趣味などではない」と述べていた当時のノリントンならではの演奏と言えます。 　ティンパニのロバート・ハウズの豪快な決め技も聴きもの。楽器配置はヴァイオリン両翼型です。