５月３０日に男性シンガー・ソング・ライターの名曲の数々を取り上げたニュー・アルバム『ボーイズ・ドント・クライ』をリリースするルーマー。アルバムの１ｓｔシングルはジミー・ウェッブの名曲「P.F. スローン」で日本では４月末から、全国のラジオでオン・エアされる予定だが、すでに以下のサイトで試聴できる。
http://youtu.be/nmsDkkCudmo
この曲の主人公の、ミステリアスなP.F.スローンという人自身も『ボーイズ・ドント・クライ』の意味を解き明かす鍵を握っている。スローンは60年代を通じて活躍した有名ソングライター。バリー・マクガイアの「明日なき世界」やママス＆ザ・パパスの「カリフォルニア・ドリーミング」に使われた有名なリフを作曲した人物だ。しかし、自ら歌いたいと思ったスローンは、それら全てを捨てソロ・アーティストとしてレコーディングをしたが、全く売れなかった。彼は無名となり消えていった。残ったのは、ジミー・ウェッブの曲「P.F. スローン」としてのみだった。本物のアーティストでいる事の代償について歌った、あるソングライターが他のソングライターに贈ったほろ苦いトリビュート。「これは忘れ去られた素晴らしい作家、もしくは商業的な音楽業界の波に乗れなかった作家に対して書かれた曲」とルーマーは言う。「P.F.スローンがアルバムをまとめてくれてると思うの。彼のように道を切り開いた人達に対するリスペクトね」

また、前作『シーズンズ・オブ・マイ・ソウル』ではバート・バカラックがルーマーを大変評価していることが話題になったが、あのリチャード・カーペンターも、彼の共通の友人が彼女のアルバムを褒めていたため、ルーマーを知ることになった。リチャードはルーマーへ手紙を綴っている。「君は美しく歌うだけじゃない。君の音楽は、本当に音楽的だよ。最近の音楽には欠けている要素だ。実際にアルバムが売れているという事実に、僕は安心感も覚えてるんだ。人々は自然で上質な音楽に触れた時、ポジティヴなリアクションをすると信じている僕としてはね。おめでとう」

現在のミュージック・シーンでは稀有な存在と言えるルーマー。
新作『ボーイズ・ドント・クライ』は、永遠に大切にしたい楽曲を集めたソング・ブックとも言うべき、至極の一枚に仕上がっている。

ルーマー『ボーイズ・ドント・クライ（初回限定バリュー・プライス盤）』

５月３０日発売
WPCR-14370
定価\2,180

<< 収録曲 >>
1 Ｐ.Ｆ. スローン
2 イット・クッド・ビー・ザ・ファースト・デイ
3 ビー・ナイス・トゥ・ミー
4 青春の旅路
5 ソウルズヴィル
6 セイム・オールド・ティアーズ・オン・ア・ニュー・バックグラウンド
7 サラ・スマイル
8 フライン・シューズ
9 ホーム・ソウツ・フロム・アブロード
10 ジャスト・フォー・ア・モーメント
11 ブレイヴ・アウェイクニング
12 ウィ・ウィル
13 アンドレ・ジョーレイ
14 ソウル・レベル
15 マイ・クリケット
16 男は女が必要
17* アイ・ウォナ・ルー・ユー
* Bonus Track