メンコンとバルトーク 新たな音質で甦ったメニューインとの味わい深い名演集。

モーツァルト屈指の名作・交響曲第40番の奥深さを見事に表現する巨匠の名演です。モーツァルトの数ある交響曲の中でも短調は第25番とこの第40番だけ。最高作ともいわれるこの名曲をフルトヴェングラーは見事に歌いあげます。《未完成》もフルトヴェングラーならではの息の長い旋律が非常に印象的です。2010年リマスター。

数あるフルトヴェングラーの《エロイカ》のなかでも、最も正統的で風格ある演奏がこの52年の録音です。意外なほど落ち着いた足取りからにじみ出る滋味の深さ、ずっしりとした手応えは比類のないもの。フルトヴェングラーの豊かな音楽性を改めて証明する、味わい濃く彫りの深い《エロイカ》です。2010年リマスター。

交響曲第7番、この曲のディオニソス的な狂気を最も端的に現したのがこのフルトヴェングラーの演奏です。スタジオ録音にもかかわらず、そのテンションの高さ、地鳴りのするような底力はまさに圧倒的です。完成度が高く強い説得力をもつ《運命》ともども、長い年月を経て、さらにその価値が高まる名演です。2010年リマスター。

同じフルトヴェングラーのベートーヴェン演奏でも、奇数番ほど注目されることも少なく、録音も少ない偶数番の交響曲。しかしこの《田園》は終始暖かな雰囲気に包まれ、作曲者と作品に対する敬愛の情がたっぷりと感じられます。大巨匠ならではの他の追随をゆるさない名演です。2010年リマスター。

言うまでもなく《第九》の極め付けであり、20世紀に記録された偉大なる遺産です。第二次世界大戦後、初めてバイロイト音楽祭が再開された初日に演奏された記念すべき実況録音であり、20世紀の音楽シーンを語る上で欠くことのできない不滅の名盤です。ベートーヴェン音楽の本質が見事に描き出されています。フルトヴェングラーの足音入り、2010年リマスター。

新たなテープ・セットからリマスタリングされた、これまでに聴けなかった良好な音での《リング》。

フルトヴェングラーの真骨頂。濃密という表現がまさにピタリとした卓越した指揮ぶり。歌唱陣の実力も見事。

高貴なロマンティシズム、浄化された官能美。ワーグナーのもつ魔力を十全に引きだすフルトヴェングラーの指揮。

フルトヴェングラーが生前もっとも得意としたオペラの一つが《フィデリオ》。比類ない完成度。

往年の巨匠、Eフィッシャーとの定評ある《皇帝》。自作の協奏曲、ルフェビュールとのモーツァルトも秀逸。

フルトヴェングラー最晩年のセッション録音。メニューインの数多い同曲録音の中でも傑出した演奏。